お花に詳しくない、という方でも名前くらいは知っているお花の一つがバラではないでしょうか?
バラは種類が本当に豊富です。
私もお花屋さんで働き始めた頃、仕入れの度に様々な品種を目にして、その種類の多さにとても驚きました。
色のバリエーションについて
例えば、ピンクのバラと聞いてまず思い浮かぶのは、このような色と形ではありませんか?
でも、上に挙げた写真はすべて言葉でいうとピンクのバラです。
(もちろんこれがすべてのピンクのバラではありません。)
例えば、ある花屋さんで、『ピンク系のバラがメインの花束』というご注文があったとします。
お客様は『ビビッドなピンクのバラを使った明るい雰囲気の花束』というイメージで注文していました。
お花屋さんは、『淡いピンクのバラをメインにして優しい雰囲気の花束』を作りました。
ビビッドなピンクのバラを使った時と、淡いピンクのバラを使った時では、仕上がった花束の雰囲気が全く異なります。
ビビッドな色を使うと、明るく生き生きとしたイメージがします。
淡い色を使うと、優しく上品なイメージになります。
同じ『ピンク系のバラがメインの花束』であっても色のトーンがお客様の意図していたものと違う場合、出来上がった花束を見たお客様は「思っていたイメージと全然違う。」と思ってしまいますね。
ですので、お花のご注文の際には、もらう方のイメージやお花をどのような雰囲気に仕上げたいか、などの情報が欲しいのです。
もちろん、何度か来ていただいている常連のお客様の場合は、お好みの雰囲気がある程度想像できます。
美容室やネイルサロンと同じです。
いつも通っている美容室ならば、漠然としたオーダーでもこちらの思っていることが美容師さんに伝わっていますが、初めて行く美容室の場合にはきっちりと説明しなければどうしたいのかは伝わりません。
お花を注文する際、もちろん詳しいお花の種類などはお花屋さんに「お任せ」で構いません。
でも注文の際に、『淡い』、『明るい』、『鮮やかな』など色の説明や、『優しい雰囲気』、『元気なイメージ』などのお花の仕上がり具合に関しての一言があるとないとでは、お客様が漠然と持っているイメージの伝わり方が全く異なってきます。
お花の大きさについて
切り花でバラというと、1本の茎に1つのお花が咲いているものを指します。
この様に、1本の茎に対して途中で枝分かれして複数のお花を付けているものは、スプレーバラと呼ばれます。
スプレーバラにも様々な品種がありますので、一概には言えませんが、1本の茎に1つのお花が咲いているいわゆる『バラ』と比べると、お花1つずつの大きさは小さめのものが多いです。
スプレーバラの上で広がっているという形の特徴をいかすと、まぁるい花束が出来ます。
お花が小さめという特徴をいかして、お子様向けの小さめの花束にも使いやすいです。
反対に、『バラを〇本使った花束を』というような場合には向きません。
咲き方について
バラの咲いている姿、といえばこんな感じでしょうか?
横から見るとこんな感じで、筒状のお花の形を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
こんな風に少しフリルの様な花びらで広がり気味に咲くバラの種類もあります。
この様に、まぁるい形のお花で広がるように咲く種類のバラもあります。
私は、この様な広がって咲くタイプのバラが大好きなのですが、お客様によっては、「咲いてしまっているから嫌」と感じてしまわれる方もいらっしゃいました。
もちろん、お花のお好みは人それぞれですが、『咲いてしまってる』んじゃなくて、このような咲き方なのです。
広がって咲くタイプは、まだなじみの浅い人も多いかもしれませんが、是非好きになって欲しいなぁ、と思います。
私の好きなバラ
パッと目を引くピンクの、まぁるく咲くバラです。
まぁるく咲くバラは華やかなので、ブライダルでもよく使いました。
大きく開いて咲くので、少ない本数でも存在感があります。
上のピンクのバラとは真逆で、真っ先に目に飛び込んでくる色ではないですが、絶妙な存在感を出してくれるのが、このようなベージュ系の花束です。
シックな花束やアレンジメントは、好き嫌いがでるところですが、お花を飾り慣れている方には比較的好まれるように思います。
まぁるく広がって咲くタイプのグリーン系のスプレーバラも大好きなバラです。
スプレーバラの中でもお花は小さめです。
単体で飾ってもナチュラルで素敵ですし、他の何色にも合わせることが出来ます。
お花好きの方にはこの様にベージュ系のバラと組み合わせた花束も喜ばれるのではないでしょうか?
お花屋さんに行ってまず目につくのは、パッと目を引くような目立つ色味かもしれませんが、
様々な色の素敵な色のバラがあるので、お花屋さんに行く時には、隅の方までじっくっり見てみて下さい!