3月3日はひな祭りですね。
ひな祭りには、桃の花を飾ります。
桃の花には、厄払いや魔除け、長寿をもたらす力があると言われているため、
ひな祭りには桃の花を飾る習慣が続いているのだそうです。
今回の定期配達のお花は、もうすぐひな祭りということで、
桃の花を中心としたお花の組み合わせです。
お花の紹介
まず今回の主役、桃の花です。
枝分かれしているものが1本と、まっすぐの枝が2本入っていました。
この時期お花屋さんではよく見かけますが、庭や公園など自然の状態で咲くのは、もう1か月程先です。
つまり桃のお花の開花時期は、3月後半から4月です。
桜とほぼ同時期か、それより遅いくらいです。
ですから、桃のお花を切り花でお花屋さんで買ってきても、飾る場所があまりにも寒いと綺麗に開花しないでつぼみのままで終わってしまいます。
少し暖かめのお部屋の方が、桃のお花はきれいに咲きます。
ただし、乾燥には弱いので、エアコンの風があたる場所は厳禁です。
お部屋が乾燥するようなときには、軽く霧吹きなどで、空中湿度を補ってあげると良いです。
そしてお花屋さんで桃のお花を買う時のポイントは、ふっくらとふくらんだピンク色のつぼみの物を選ぶことです。
少なくとも上の写真くらいのつぼみの状態の枝を選ぶようにして下さい。
「長い間飾れるように。」と、キュッと小さなつぼみの桃のお花を買ってしまうと、そのまま咲かずに終わってしまうものもあります。
特にグレーっぽい色のつぼみの場合には、すでにお花が乾燥してしまっている場合もあります。
ですから、桃のお花を選ぶ際には、
「咲きかけ」や、「咲き始め」という状態の枝を選ぶようにしてください。
本題に戻って、お花のメインはストックです。
こちらも春をイメージさせるお花で、特有の香りのあるお花です。
「お花らしい甘い香り」というよりも、「ツーンとした植物っぽい香り」がします。
ストックの様に、縦に小さなお花が並んだお花は、飾った時に色のイメージがグンと濃くなります。
ですからこの場合は、桃のお花と同系色のピンクのストックを重ねる事で、
春らしいピンクの色の印象の強い作品に仕上がります。
ストックは2本です。
色のアクセントとなるお花は、ソリダスターです。
ピンクのお花の中に、少しの黄色が入ることにより、より春らしさが増します。
雰囲気づくりのお花として、レースフラワーが2本です。
少し前の『つぼみの多いお花は活け替えも楽しめる』というテーマで活けた時にも紹介しましたが、細い茎の上部で枝分かれし、非常に細かいお花が付いているのがレースフラワーです。
全体のシルエットは、上の方でパーンと広がった花火の様な姿のお花です。
風や空気感を感じさせる軽やかなお花です。
葉物には、タマシダが3本。
お花の春らしさを引き立てるのに効果的な、明るい黄緑色をしています。
花器を選ぶ
今回は色の美しさを見せるためにも、花器は白を使いたいと思います。
三日月をイメージした花器で、中に剣山を入れて使用します。
お花を活ける
まず桃の花を活けます。
桃の花はとてもデリケートなので、強く触りすぎるとお花がぽろぽろと落ちてしまいます。
枝も矯めて曲線を作ったり出来るものではありませんので、それぞれの枝の持つカーブを見極め伸びやかに活けます。
他の枝物の場合にも言える事ですが、桃の枝の切り口はこのように十字の切り込みを入れます。
お水を吸い上げやすくする為です。
次にストックを活けます。(桃とストックだけの写真を撮るのを忘れてしまいました。)
まだ咲いている桃のお花の少ない左側にも、ピンクという色の印象が出てきます。
そして本来ここでソリダスターを入れるべきところなのですが、
今回水上りの状態があまり好ましくなく、長さを残しては使いづらかったので、
家にあった菜の花を代用しました。
ピンクの中に少しの黄色を入れる事により、
生き生きとした躍動感や、新鮮さが出てきます。
ソリダスターは、短くカットしたら使えそうなので、また別のところで活躍してもらいます。
先に、葉物のタマシダを入れてしまいます。
お花の輪郭をくっきりとさせ、立体感を出すために、後方にむかって入れます。
最後にレースフラワーをふんわり軽くベールをかけるようにお花の間に漂わせれば、完成です。
まとめ
今回はもうすぐひな祭りだという事で、桃の花が中心の生け花です。
我が家の玄関は寒めですので、普段は花持ちが非常に良くてとてもありがたいです。
しかし「桃のお花には少し寒いカナ?」という点が、少し気がかりです。
でも、今週は暖かい日が続くようなので大丈夫でしょう。
もう少し咲いてくれると、より華やかになりますので、毎日楽しみに経過を見守りたいと思います。
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桃の花を初めて活ける方、普段お花を活け慣れていない方には、
桃の花とチューリップ・菜の花で、もう少しシンプル仕上げたものもあります。
お花の選び方や活ける時のちょっとしたコツも書いています。
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