もうすぐひなまつりですね。
今週は桃の花の生け花です。
ひなまつりに桃のお花を飾ってみたいけれど、枝物は難しそう、と迷っている方。
お花をあまり活け慣れていない方。
ここでは、生け花の中でも、剣山を使用して水盤にお花を活ける『盛花』スタイルを
分かりやすく解説します。
お花の紹介
まずは今回のメインのお花、桃の花です。
桃の花には、厄払いや魔除け、長寿をもたらす力があると言われているため、
ひなまつりには桃の花を飾る習慣が続いているそうです。
この時期、お花屋さんでも頻繁に目にする桃の花ですが、
自然界で咲くのはもう少し先です。
桜と同じか、桜よりも少し遅いくらいです。
ですから、桃の花は寒さにはあまり強くはありません。
ご自身で桃のお花を選ぶ場合は、少しふっくらとしたつぼみの物を選ぶと良いでしょう。
飾る場所にもよりますが、寒すぎる場合には、余りにも小さいつぼみの物は咲かずに終わってしまう場合があるからです。
また、つぼみがグレーっぽくなっている物も避けた方が良いです。
乾燥してしまっている事があるからです。
メインのお花は、ラナンキュラスです。
お花の部分だけを写真で見ると、バラのようですね。
実際に見てみると、バラよりも花びらがずっと薄いです。
ちょっと高級な洋服やバッグを包んである薄紙のような薄さです。
色も種類も豊富なので、お花屋産でも人気のあるお花の1つです。
サブのお花は、スイトピーです。
とても香りの良い、春の代表的なお花の1つです。
サブの花の2つ目は、スプレーマムです。
今回合わせるのは黄色のスプレーマム。
春らしい色、と言えば、ピンクが思い浮かびますが、菜の花に代表されるような明るい黄色も、
春らしさを感じさせる色です。
この黄色が入る事で、桃の花のピンク色も更に引き立ちます。
葉物は、ドラセナです。
花器を選ぶ
今回は、花数があまり多くはありません。
枝分かれしているお花も、サブのお花として使うスプレーマムのみです。
したがってボリュームは少なめです。
そこで、盛花でシンプルに活けてみようと思います。
そこで選んだのが、こちら。
黒の楕円形の水盤です。
今回は、向かって左側に剣山を置いて使用します。
お花を活ける
先ず、桃の花を入れます。
枝物を入れる時は、絵上の写真の様に、枝の切り口に耐えの切り込みを入れておくと、
お水の吸いが良くなりお花も良く持ちます。
桃のお花は、ほっそりとした枝を垂直に近い角度で。
先端で枝分かれしている枝を斜め前方に傾斜させて入れます。
次にラナンキュラスを入れます。
今回、ラナンキュラスは2本入っていましたので、咲き方がつぼみに近い方を長く、
大きく広がっている方を短く入れます。
その次に、ドラセナを入れます。
ドラセナは、葉っぱを1枚ずつ別々にし、数枚はそのまま、数枚はくるりと丸めてホッチキスで留めます。
こうすることで、シンプルな平たい葉物にボリューム感を出したり表情に変化を付けることが出来ます。
葉物を入れる時は、正面から見た時に花器の口元よりも下に下がっているものを何枚か入れておくと、花器と作品との一体感が生まれます。
この段階で、最初に入れた桃の花の2本とドラセナの一番下に下がっている葉っぱの先端をつないで出来る三角形が、正三角形や二等辺三角形になっていない事を確かめます。
きれいな三角形をベースに活けると、バランスが取れていて自然な感じがしません。
お花を活ける時は、左右対称だったり、きれいなバランスが取れた形にならない様に、
お花を配置した方が、動きのある自然な作品になります。
それから、スプレーマムを入れます。
お花を活ける時、葉っぱがお水の中に浸からない様に、
葉っぱは綺麗に取り除きます。
特にマム(菊)の葉っぱは、大きな葉っぱを取り除いても、その根元に上の写真の様にな千沙な葉っぱが残っている場合がありますので、全てキレイに取り除きます。
お水に浸かっている部分に葉っぱが残っていると、お水が傷みやすくなり、そのことでお花の持ちが悪くなってしまうからです。
スプレーマムは、短めにカットし低い位置に丁寧に入れていきます。
桃の花やラナンキュラスの後方にも、それらよりも短いスプレーマムを入れ、奥行き感を出します。
同時にここで、剣山が見えなくなるようにします。
短めにカットしますが、決して同じ長さでカットしない様に気を付けて、
スプレーマムでも長さの凹凸を付けます。
最後にスイトピーを入れて完成です。
今回はピンク色のお花の多い作品ですので、
桃の花に重ならない様な位置に配置します。
まとめ
今回は、桃の花を使った盛花を紹介しました。
枝物を活けるのは、難しいと思われている方も多いかもしれません。
お花付きの枝物(花木)は、それだけを入れても華やかなので、枝物は初めてという方でもチャレンジしやすいです。
この作品を活けるポイントは、
ピンク色のお花が3種類あるので、それぞれを配置する場所をまとめる点、
枝分かれしていないまっすぐなお花は、入れてある角度がはっきりと分かるので、
お花を入れる角度が他のお花と出来るだけ重ならない様にする事の2点です。
もちろん、他のお花を活ける時にも言える事ですが、
後方にも短いお花を配置し、お花が前が低い階段状に並ばない様に配置することも大事です。
今年は、こちらで紹介した盛花以外に投げ入れとアレンジメントを活けました。
こちらも是非ご覧ください⇩⇩⇩⇩⇩