私が子どもの頃と今とを比べると、スーパーで見かける野菜はずいぶん変わりました。
今ではごく普通に見かけるブロッコリーやパプリカも、わたしが子どもの頃には頻繁に食卓に並ぶ野菜ではありませんでした。
果物にしても同様で、キウイは小学生の頃に初めて食べたという記憶があります。
イチゴの様に以前からあった果物の場合も、品種改良が進み今では品種名を持つ様々なイチゴがたくさん並んでいます。
お花の世界も同じです。
新しいお花が紹介され輸入され、また以前からあるお花でも品種改良により初めて見る品種が出てきたり、お花屋さんに並ぶお花も常に変化しています。
イメージが大きく変わったお花の紹介
同じ種類のお花でも、品種が違うと以前からのイメージとは違う全く別のお花のような雰囲気を持つお花もたくさんあります。
菊とマム
その代表的なものは、菊です。
わたしが 子供の頃の『菊』のお花のイメージと言えば、
「お墓やお仏壇にお供えしてあるお花」でした。
もしくは、「家の近くの遊園地で毎年秋に開催されていた菊人形に使うお花」という印象しかありませんでした。
おそらく多くの人が持つ菊のお花のイメージと言えば『昔からあるお花』、『和風なお花』ではないでしょうか?
しかしながら、ボール状や半球形のピンポンマムは、母の日やお誕生日など日常使いのアレンジメントにおいてとてもポピュラーなお花です。
このアレンジメントではグリーンのピンポンマムがあちらこちらに使われています。
また、ピンポンマムはブライダル装花・ブライダルブーケとしても人気のあるお花です。
ブライダルのメインテーブルのお花としてピンポンマムが使われています。
白くて丸い、『ピンポン玉の様なお花』がピンポンマムです。
こちらは、ブライダルブーケには白とグリーンのピンポンマムが使われています。
ブライダルのシーンでも和風・洋風を問わず常に人気のあるお花です。
大輪のアナスタシアも人気があります。
私も今年のお月見の時期の生け花には、ピンクのアナスタシアを使用したお花を飾りました。
いずれの場合も、『マム』と呼んだり品種名である『アナスタシア』と呼ぶことがほとんどで、いわゆる『菊』とは区別していることが多いです。
マムというだけでこんなに新鮮でも詳しく述べていますので、よろしければそちらもご覧ください。
スターチスについて
他にもイメージの変わったお花はないかと考えてみますと、もう1つ思い当たりました。
それがスターチスです。
私が子どもの頃のスターチスのイメージと言えば、このような色と形です。
簡単にドライフラワーにもなるので、生花・ドライフラワー共によく目にしました。
そしてこちらもやはり、『お仏壇やお墓にお供えしてあるお花』というイメージもありました。
スターチスにも色々な品種があるという事を知ったのは、お花屋さんで働き始めてからです。
まずはカラーバリエーションからご紹介します。
お花の色がピンク系や白になるだけで、ぐっと軽やかに可愛らしくなります。
次に小花系をご紹介します。
昔ながらのスターチスに対し、ハイブリッドスターチスと呼ばれています。
ここでいう『ハイブリッド』とは、『交雑』という意味です。
様々な種類のスターチスを交雑し生まれた品種です。
今から紹介するスターチスは、すべてこのハイブリッドスターチスです。
ピンクのカーネーションや千日紅、ブルーのりんどうの間から顔をのぞかせている白の小花がハイブリッドスターチスです。
大きさが変わると更に可愛らしさを増し、花束に入れるととても可憐なイメージに仕上がります。
分かりやすく言うと、カスミソウの様な役割をしてくれるのが、この小花系のスターチスです。
こちらの花束に使われている白い小花がカスミソウです。
花束の定番のお花ですので、お花の名前は知らなかったとしても1度は目にしたことのあるお花なのではないでしょうか。
真っ白なカスミソウに対して、今紹介している小花系の白のスターチスはお花の一部分が少し黄みがかっているものが多いので、よりナチュラルな印象になります。
写真の白系のほか、赤系・黄色系のハイブリッドスターチスもあります。
紫系のハイブリッドスターチスは、ぐっと大人っぽい印象です。
品種はもの凄く多いようですが、ミスティブルーやブルーファンタジアなどが良く見かける品種ですので、お花屋さんで見る時はその名前で呼ばれているかもしれません。
花束全体に入っている紫系の小花が、紫系のハイブリッドスターチスです。(品種名は不明です。)
お花全体に入るという役割という点ではカスミソウと同じですが、カスミソウを使用するときよりも大人っぽくシックな印象にまとめることが出来ます。
お花屋さんおプライスカードにも、スターチスとは書かずに品種名のみを記入していることもあります。
ちょっと可愛らしいピンポンマムやおしゃれなアナスタシアを、「菊」とは呼ばずに「マム」と呼んだり品種名で呼ぶことで、いわゆる菊のイメージとは違うお花として扱っています。
同様に今紹介したようなスターチスも、例えば『ミスティブルー』と品種名で呼んだり、ハイブリッドスターチスと呼んで、昔ながらのスターチスとはイメージの異なるお花として使用しています。
まとめ
スターチスそれだけを単品で飾る事は少ないかもしれません。
単品でプレゼントにしたりというような使われ方もおそらくしないでしょう。
しかし、花束やアレンジメントでよく使うお花ですので目にすることも多いお花です。
例えば、バラとカスミソウという定番の花束も、カスミソウをこのハイブリッドスターチスに変更すると、また違った雰囲気になります。
さて、あなたのお好みはどちらでしょうか?
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