今週も非常に寒い!
冬だから当然なのですが、このところ連日冷え込んでいます。
そんな寒さの中ですが、今週もイエローのお花で、春の日差しを思い出させてくれる様なお花のチョイスです。
お花の紹介
主になるのは、芽吹きアジサイです。
お花としてのアジサイは、梅雨の時期の代表的なお花ですが、
今回扱うのは、新芽が出たばかりの枝物です。
アジサイのポキポキとした面白い枝ぶりと、生命力を感じる芽吹いたばかりの葉っぱ。
春の足音を表現するのにぴったりの花材です。
メインのお花は日本水仙です。
派手さはありませんが、凛とした主張のある美しいお花です。
そしていい香り。
寒い時期に背筋がピンと伸びる様な、上品で馨しい香りです。
サブのお花は菜の花です。
春のお花といえば、ピンク系のお花をイメージすることが多いですが、
この菜の花のイエローも、春の訪れを象徴することが多いです。
春の訪れを紹介するニュースなどでは、一面の菜の花畑が報道されたりもします。
アクセントにはデンファレです。
デンファレ自体には季節感はほとんどないですが、今回のイエローと一緒に活けると、アクセントになります。
花器を選ぶ
今回は久しぶりに定番の形に活けてみようと思うので、選んだのはこちらの花器。
黒の楕円の水盤です。
この水盤の、左端に剣山を入れて作品を活けていこうと思います。
お花を活ける
まず、芽吹きアジサイから入れていきます。
お花の紹介のところでも述べましたが、アジサイの枝にはそれぞれ形に個性的があります。
個々の枝の一番美しい向きを見極めて、長さを決定します。
次に日本水仙を入れます。
日本水仙の葉っぱはとても面白いです。
ハサミなどの背側を葉っぱの裏面に添わせて葉先に向かって滑らせると、クルンとカールします。
慣れてくるとカールさせたい位置で少し力加減を強めたり、やや斜めにハサミを滑らせたりする事で、葉っぱの曲がる向きや強さが変化し、表情を変えることが出来ます。
ただ、余りやり過ぎると、葉っぱの弾力がなくなりだらっとしてしまいますので、やり過ぎには注意です。
水仙のお花自体は、垂直方向に入れるのが似合うので、まっすぐ立てて入れていますが、葉っぱを前後左右に広げる事で立体的に入れています。
それから菜の花を入れます。
今回は、枝物も水仙も線が細い植物なので、直立して縦に長くなりがちです。
菜の花は短めにカットして、作品の足元を引き締めます。
同時に、菜の花で剣山が見えなくなるようにします。
剣山は作品を活けるための道具なので、仕上がった時に見えているとすこし興ざめしてしまいますので、足元に配置するお花で出来るだけ自然に隠します。
最後にデンファレを入れて完成です。
デンファレも今回は少し短めにカットします。
お水のすぐ上に一番下のお花がくるような長さにします。
そうする事で、デンファレでも重心を下げて足元を引き締めることが出来ます。
そしてこちらもそれと同時にサイドから見える剣山を隠す役割も果たします。
まとめ
今回は春を待つ日本水仙と菜の花の生け花です。
この作品を活けるポイントは、
水仙の葉っぱで広がりを持たせ、作品に奥行きと立体感を出す事。
菜の花とデンファレは短めにして、足元を引き締める事。
の、2点です。
水仙の葉っぱや水仙のお花、菜の花は後方に入っていても前に入っているお花より短いものもあります。
そうする事で、より空間的な広がりを感じられる作品になります。
お花を前が低い階段状に並ばせない、というのは、どんなお花を活ける時にもとても大事な事です。
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