啓翁桜の生け花 一足早いですがお花見気分

B!

今週の生け花も花木がメインです。

 

今週のメインのお花は、多くの人が大好きな春の花木です。

 

生け花初心者の方にも分かりやすく、写真付きで生け方を解説しています。

 

こちらのページの一番上には動画もあるので、併せてご覧ください。

 

お花の紹介

先ずはメインの花木、啓翁桜です。

 

一般的に「桜が咲いた」といわれるときにいう桜、お花見に行くときに咲いている桜、とは少し品種が異なりますが、

生け花ではよく使われる品種です。

 

まだ蕾なのでお花の飾りはじめは少し物足りなさがあるかもしれませんが、

開花すると明るくかわいらしいピンク色のお花でとても春らしい生け花になります。

 

 

 

 

啓翁桜に合わせるのは、白のキンギョソウです。

 

 

 

サブのお花はナデシコです。

 

こちらもまだ完全には咲いておらず、少し緑が目立ちますが、

啓翁桜が開花するころには、ナデシコも同じくきれいに開花し華やかになるかと思います。

 

 

今回の花材はこちらの3種類。

 

葉物がないですし、今の段階では少しボリューム感は少ないですが、

お花が咲くと明るく華やかになってくるのではないでしょうか?

 

 

 

花器を選ぶ

啓翁桜のお花の美しさを素直に見てほしいので、今回の花器はシンプルに。

 

選んだのはこちらの花器。

こちらの直方体の投げ入れ花器です。

 

今回はこちらの花器に、素直にお花を入れていきたいと思います。

 

 

 

お花を活ける

先ず、今回のように投げ入れ(花瓶に活けるスタイルのこと)でお花を活ける時は、

お花を入れ始める前にすることがあります。

 

花留めを作る事です。

 

花留めとは、お花を入れる部分が大きい花瓶を使うときに、お花を思った場所で留める為に花瓶の中に作った仕掛けのことです。

 

こんな風に。

 

花材の中の枝物の、使わない部分などを花器のサイズに合わせてカットし、

花器の口元より少し下にセットします。

 

今回は縦と横に枝を渡してある十字留めという留め方です。

 

花器の口の大きさやその時に使用する花材の量や茎の太さなどに応じて、今回のように十字留めにしたり、

横または縦に一文字に渡したりします。

 

ここまで準備ができたら、お花を入れていきます。

 

 

 

まず、啓翁桜から入れます。

 

1本目は花器の高さの3倍くらいの長さになるようにカットし、垂直に近い角度で入れます。

 

さらに2本目は、最初に入れた1本目の半分くらいの長さで、前に傾斜させて入れます。

 

 

 

次にキンギョソウを入れます。

 

キンギョソウは3本入っています。

 

まず1本目は、垂直に近い角度で、

2本目は、啓翁桜とは反対の方向に。

 

3本目は手前に傾けて短めに入れます。

 

 

 

 

最後にナデシコを入れます。

 

今回は葉物がないです。

 

花器の口元がすかすかしてしまいやすいので、ナデシコは短めにカットし、

お花とお花の間や、花器の口元付近に丁寧に入れていきます。

 

花器の口元とお花の間に空間が開きすぎていると、

お花と花器との一体感が出にくいです。

 

お花とお花の間の空間にナデシコを入れると、

背の高いお花の間に、短いナデシコが入ることになり、作品に凹凸ができます。

 

後方に短いお花が入っていることで、平面的ではなく立体的な作品に仕上がります。

 

完成です。

 

正面から見たところです。

 

 

 

まとめ

今回は、お花見には一足早いですが、桜の生け花です。

 

この作品をいけるポイントは

あまり横には幅を広げないで活ける事、

花器の口元にしっかりとナデシコを入れる事、の2つです。

 

今回のお花の生け方は、定番の形には近いですが、やや縦長に仕上げています。

 

お花のボリュームが少ないので、枝を横に広げてしまうと、仕上がったときに物足りなさが残ってしまいます。

 

花材のボリュームが少ないときは、定番の形にとらわれず、あえて縦長に仕上げると中央部分にお花がしっかりと集まります。

 

葉物がない場合も、お花を中央や花器の口元にしっかりと入れる事で、足元の不安定さが補えます。

 

お花の分量やボリューム感をみて、お花の生け方を工夫することで、少ない花材でも物足りなさのないお花を活ける事ができます。

 

 

 

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