先日、ようやくタオルケットを洗濯しお布団を出したのですが、
その日の夜に限って気温が全く下がらず、非常に蒸し暑い夜でした。
体調管理の難しい季節です。
と言いながらも、空にはすっかり秋の雲。
秋は着実に訪れています。
今週の定期配達のお花は、とても秋らしいお花とひまわり。
どちらかと言えば、お花は季節を先取りして選ぶ事が多いので、
自分ではなかなかしない組み合わせです。
しかし、秋のお花と組み合わせる事により、
普段は元気いっぱいのイメージのひまわりが、少し落ち着いた印象に見えました。
お花の紹介
まず今回は、枝物なしのパターンです。
枝物の様な役割も出来る直線的な葉物、ニューサイランを主とします。
直線を使って活けるほか、折ったり丸めたり、裂いたり。
様々な使い方のできる面白い花材です。
メインのお花は、ひまわりです。
大き過ぎない使いやすいサイズのものが2本。
色も純粋な明るいレモン色の、可愛らしいひまわりです。
秋らしいお花の1つ目は、藤袴(フジバカマ)です。
秋の七草の1つでもある、優しい雰囲気のとてもナチュラルな印象の小花です。
秋らしいお花の2つ目は、ホトトギスです。
シックな茶色みがかった紫色の、粋な雰囲気のするお花です。
大好きなお花で、我が家のお庭にも植えてあります。
夏休みの終わりごろから少しずつつぼみを付けてくる、
目立つ華やかなお花ではありませんが、代表的な秋のお花の1つです。
葉物は、この定期配達のお花でもおなじみの、ドラセナ ゴッドセフィアナです。
ひまわりとの相性がとても良い葉物です。
花器を選ぶ
今回は、ニューサイランをどのように扱うかで、使う花器が非常に変わってきます。
直線的なまま使う場合は、背の低めの花器や、水盤が選択肢にあがってきます。
しかし、今回は少し加工して使ってみたいと思います。
そこで選んだのは、こちら。
白いトーチ型の花器です。
写真ではサイズ感が分かりにくいかもしれませんが、この花器とても背が高いです。
高さ約47cm。
投げ入れで使用する花器は高さ約25~30㎝というのが一般的です。
上に向かって広がっているので、お花も上向きの大きな作品を活ける事も可能です。
しかし今回は、口元にボリュームを持ってきつつ、
下にも少し動きが出るような使い方をしてみようと思います。
お花を活ける
今回はまず、ニューサイランの加工から始めていきます。
ニューサイラン2本は、まず真ん中で2つに裂き、更にそれぞれを半分に裂き、
4本の細い葉っぱにします。
それをくるくるからめて曲線を作り出します。
曲線が出来上がったら、交差している部分をホッチキスで留め、解けないようにします。
1つの塊になった状態で活けてあります。
今回は、花留めに使えそうな枝物がなかったので、先に葉物を入れ口元を狭くし、お花を活けやすくします。
花留めとは、今回の様に花瓶に投げ入れのスタイルでお花を活ける時に、お花が思った位置に留まるようにする方法の事です。
使わない枝物で、花瓶の口元から少し下のところに十字に仕切りを作ってからお花を活け始める『十字止め』はよく使われる花留めの1つです。
今回は、その花留めが作れなかったので、
葉物を先に入れる事で、花留めの役割をしてもらいます。
次に藤袴(フジバカマ)を入れます。
藤袴は、適度に枝分かれもしており、お花自体も軽いので、花留めがなくても花瓶の中に滑り落ちにくく、思った位置に留まってくれやすいお花です。
続いて、ホトトギスを活けます。
メインのお花であるひまわりはまだ出てきません。
ホトトギスも、葉っぱが多く、お花も軽いので、花留めがなくても先に入れてあるお花と上手く絡まりあい、思った位置に綺麗に止まります。
最後にひまわりを入れて、完成です。
ひまわりは他のお花に比べると、お花の頭も大きく重さもあります。
葉っぱは少なめです。
ですからしっかりとした花留めがないと花瓶の中にお花が落ちてしまいやすいので、今回は一番最後に入れる事にしました。
まとめ
背の高い花器の場合、花器の口元やそこから下に向かってお花を入れる事が出来ます。
葉物や、タメの効く枝物を使用し、下に向かって流れるようなラインを作ると、普段の生け花とはまた違った面白さが出てきます。
今回は、ニューサイランを少し加工し、動きを出してみました。
ひまわりと秋のお花を組み合わせる事で、秋の訪れを感じさせる生け花に仕上がったのではないでしょうか?
他の背の高い花器を使った作品はこちら。(是非見て下さい!)