ある花材を活けるとその季節が来たことを実感する、という花材が季節ごとにいくつかあります。
春の場合はコデマリ。
初夏ならフトイ。
今回の花材も夏を感じる花材が2つ、夏にぴったりの組み合わせです。
お花の紹介
まずはヒメガマです。
水辺や湿地に生える植物です。
水辺の植物はスッキリと涼しいイメージがありますので、夏の生け花の花材として重宝されます。
直線的で細い茎はラインが取りやすいので、扱いやすい花材でもあります。
メインのお花は、夏のお花の代表、ひまわりです。
説明するまでもなく、夏らしく明るく、元気な印象を与えてくれるお花です。
サブのお花には、桔梗です。
ひまわりだけではなく黄色やオレンジ系の色のお花を活ける際は、ほんの少し紫系のお花を入れると、黄色やオレンジがとても引き立ちます。
今回は、ひまわりの引き立て役という役割を担ってもらいます。
葉物は、定番のドラセナ ゴッドセフィアナです。
白い斑入りの濃いめのグリーンは、ひまわりとの相性が非常に良いです。
花器を選ぶ
ヒメガマを活ける場合は、水盤にお水をたくさん見せながら活けるのもおすすめですが、今回はヒメガマに少し手を加えてみようと思います。
そこで選んだのがこちらの花器。
この定期配達のお花を活ける際にも何度か使用している花器です。
漢字の『回』という字の様な形の花器です。
今回はこの花器とその花器を置いてある台の面も使って活けていこうと思います。
お花を活ける
まずは、ヒメガマを活けます。
今回は上方向に伸ばすのではなく、床面を目指して活けます。
ヒメガマの葉っぱや穂の先はきっちりと床面にあたるようにきれいに切りそろえます。
次にひまわりを活けます。
ひまわりのお花には、首の傾け方やお花の大きさ、花びらの出る角度に個性がありますので、それぞれのお花が一番美しく見える位置を見極めて活ける事が大切です。
今回は、お花が小さめで首の傾きも小さなお花を一番トップにもっていきバランスをとっています。
次は、ドラセナ ゴッドセフィアナを活けます。
ひまわりのお花の色や形を際立たせるために、ひまわりの周辺部分に入れていきます。
最後に桔梗をいれて完成です。
桔梗の紫色が入る事で、ひまわりの黄色がグッと生き生きしてきます。
同時に桔梗のお花を入れる事で、ヒメガマの上に出ている茎部分を隠すことも出来ます。
今回、ヒメガマには花器より下方向や床面に向いていて欲しいので、花器よりも上方向にはできるだけヒメガマの茎が見えない様に活けると、より印象的になります。
まとめ
今回は、夏の生け花の定番の組み合わせである、ヒメガマとひまわりを活けました。
ヒメガマの直線をいかして、背の高い生け花を活けるという選択肢もありましたが、
お花、花器、床面と下方向へ延びるお花を活けてみました。
お花の印象は強く残しながらも、小さなスペースにも飾ることが出来ます。
ですので、下方向から床面に伸びるお花は、覚えておくととても役立つ活け方です。
是非お試しください。