今回は、遅咲きの桜、関山桜を使った生け花です。
八重咲きで、ボリューム感のあるお花のが丸く塊になって咲きますので、とっても豪華な印象です。
早速見ていきましょう。
お花の紹介
まず、今回の主になる花木、関山桜(カンザンザクラ)です。
通常の桜は、お花が終わてから葉っぱが芽吹きだしますが、
こちらは同時進行です。
お花を活けた時には、お花と葉っぱがある事で、イキイキとした印象になります。
メインのお花は、デコラマムです。
デコラマム、というのは、具体的な品種名ではなく、デコラ咲きの菊(マム)のことです。
『デコラ咲き』とは、花びらがぎっしると詰まっていてお花自体も大きくボリュームのある咲き方の事を言います。
デコラマムとは、簡単に言うと、『豪華な印象のマム』です。
いわゆるオーソドックスな菊のイメージとは異なる、ゴージャスな菊の事を指して言います。
今回のデコラマムも、咲き方はガーベラのようで、
この写真では分かりづらいですが、作品のメインとして使えるサイズ感のマムです。
葉物は、ドラセナです。
今回の花材は、3つ。
私はどちらかというと、このように素材は少なくシンプルな生け花が好きです。
花器を選ぶ
今回は、花材も少ないので、投げ入れで活けようと思います。
選んだのはこちらの花器。
パープルの半透明のガラス花器です。
パープルの花器って意外とどんな色のお花都でも合わせやすく、使いやすいです。
赤系、ピンク系、グリーン系、オレンジ系、イエロー系。。。。
どの色にもマッチします。
またお花の色が豊富で、カラフルな作品にも使えます。
透明なガラスや白・黒の花器に比べると、選びにくい色かもしれませんが、
花器のバリエーションを増やしたい時にはお勧めの色です。
お花を活ける
写真を撮り忘れてしまったのですが、投げ入れ(花瓶に活ける事)でお花を活ける際には、
先ずすることがあります。
花留めを作る事です。
花留めとは、花器の内側の口元から少し下で花器の中を区切り、お花が花器の中で移動しないでしっかり留まるように作る仕掛けの事です。
今回の写真ではないのですが、
このように突っ張り棒の要領で花器の中に枝を渡します。
この花器は長方形の花器なので、横に2本渡していますが、
花器の形や活ける枝の太さで縦または横に1本渡したり、十字に渡したり、と様々です。
今回は、関山桜の枝にそこそこ太さがありましたので縦に1本だけ渡しました。
花留めが出来上がれば、お花を入れていきます。
先ずは主になる関山桜でアウトラインを作ります。
高さは出さずに横に大きく広がる形に入れます。
この時、枝の角度や長さが左右対称にならないように気を付けます。
左右対称は美しいですが、自然な感じはしません。
角度や長さに変化を付けて、リズミカルに入れます。
次にドラセナを入れます。
ドラセナは、葉っぱを1枚ずつに分け、くるっと丸めた後ホッチキスで留めます。
葉っぱの表情に変化が出るのと同時に、
お花の分量が少ない時には、枝と枝の間がスカスカしてしまうのを防げます。
最後にデコラマムを入れて、完成です。
デコラマムは、中心付近に入れ中央にボリューム感が集まるようにします。
まとめ
今回は遅咲きの桜、関山桜を使った生け花です。
この作品を活けるポイントは、
関山桜を長さや角度の点で、左右非対称に入れる事。
花器の口元付近がスカスカしないように、葉物でしっかりと口元を引き締める事。
の2点です。
関山桜を左右に広げるので、中央付近は密にして、そこから広がるように枝物が出てくることで、緩急の効いた作品になります。
奥行きは少ない作品ですが、
もちろん今回も後方にも短いお花を入れて、お花を前が低い階段状に並べない様にする事もとても大事です。
後方に短いお花が入っていることで、奥行き感の感じられる立体的な作品になります。
5月の第2日曜日は母の日です。ご用意はお早めに!