お正月用生け花〈玄関編〉花材と花瓶と生け方について。

お正月花の生け方を写真付きで解説します。

 

今回は、玄関用に投げ入れリビング用盛花をそれぞれ1杯ずつ。

 

こちらでは、玄関用に活けた投げ入れの生け花を紹介しています。

 

 

2024年のお正月の生け花はこちら

 

 

お花の紹介

枝若松

まずは、お正月のお花と言えば松ですが、こちらで使用するのは最もベーシックな枝若松です。

 

葉が短く密集しているものがよい松だと言われています。

 

 

百合

メインのお花はオリエンタルリリーです。

 

今回はお花が8輪も付いていました。

 

茎にも適度な太さがあり、とってもしっかりとしたユリです。

 

 

レナンセラ

サブのお花というには立派過ぎますので、2つ目のメインのお花、レナンセラです。

 

熱帯アジア原産のランです。

 

1輪1輪のお花は小さいですが、1度にたくさんのお花が咲き、その鮮やかな色と花数で非常に豪華な印象を与えてます。

 

 

千両

そしてこちらもお正月の生け花には欠かせない、千両です。

 

この赤い実を入れると一気にお正月らしいお花に仕上がります。

 

千両は、葉っぱがツヤツヤしていて実がぎっしりついているものが良いと言われていますので、

購入の際の参考にして下さい。

 

 

金柳

そして最後に金柳です。

 

柳を金色に着色してあります。

 

動きのある金色の枝物が入る事で更に豪華さがプラスされます。

 

 

花器を選ぶ

花器

今回は私が持っている中で一番オーソドックスな投げ入れ用花器を選びました。

 

 

十字止め

口の広い壺にお花を活ける時には、そのままではお花が思っている位置や角度で止まってくれません。

 

その時に使うのが十字止めという手法です。

 

このように、花器の口元に使わない枝物で十字の花留めを作ってから活け始めます。

 

こうすることで器の口が狭くなり引っ掛かりも出来ますので、思った位置や角度にお花を持って行きやすくなります。

 

この方法は、花器の口元に突っ張り棒をつけているような感じですので、もろく繊細で傷付きやすい花器には向きません。

 

花器の内側の大きさに少しきつめのぴったりの長さで仕掛けを作らなければなりませんので、慣れるまでは少し難しいです。

 

私も失敗を繰り返してきました(笑)

 

いい感じで活けている途中で、お花の重さに耐えきれず十字の花止めが落下!

 

その時は最初からやり直しです。

 

生け花教室に通っていた時にも、「あ~!」という悲鳴と落胆の声を何度も聞いています。

 

ですので、残念ながら十字止めを上手く作るコツはなく、慣れるまで何度も練習するしかありません。

 

お花を活ける

枝若松を活ける

まず最初に枝若松を入れます。

 

背の高い1本目はすっと伸びるようなイメージ、短い方の2本目で幅と空間を決めます。

 

余談ですが、松を扱うとどうしても手に松ヤニが付きます。

 

私は毎年の事なので気にならないのですが、松を扱う時は、あらかじめ手にハンドクリームやオリーブオイルを塗っておくと、汚れが落ちやすいそうですよ。

 

 

 

百合を入れる

次にメインのお花、オリエンタルリリーを入れます。

 

一番下のお花が花器の口元に来るように、長さを調節します。

 

たくさんついている葉っぱは、お水の中に入ってしまう部分は全て取り除きます。

 

さらに、お花を隠してしまいそうな葉っぱや、松に重なってしまう葉っぱもすっきりと取り除きます。

 

 

 

千両を入れる

順序に決まりはないですが、今回私はこの次に千両を入れました。

 

向かって右側に千両を集めたかったので、オリエンタルリリーの向きと角度を少し変えました。

 

 

 

レナンセラを入れる

続いてレナンセラを活けます。

 

大きく2本に枝分かれしていたので、長い方は後方、短い方は前方中央、百合のお花の間にうまく入ってくれました。

 

レナンセラのアップ

レナンセラは、裏表(お花の付いている向き)がとてもはっきりしているので、後ろを向いてしまったお花にならない様に注意して活ける向きを決めて下さい。

 

 

 

柳を入れる

向かって右方向を中心に金柳を入れて完成です。

 

私は今回直線で金柳を入れました。

 

少し矯めて、曲線を作っても動きが出て軽やかで綺麗です。

 

 

まとめ

枝若松は直線的な枝斧ですので、ユリのようお花が大きく立体感がありお花と組み合わせると、ボリュームのある豪華なお花に仕上がります。

 

今回の作品を生ける時のポイントは2つ。

 

まず、ユリの長さを長くし過ぎない事。

 

ユリはボリュームのある花なので、長いまま使うとお花が咲いた時に作品の重心が上に上がり過ぎてしまいバランスが悪くなるからです。

 

2つ目は、お花を階段状に配置しないこと。

 

後方にも短めのお花を配置することで、作品に奥行感が出て、立体的に仕上がります。

 

今回はこちらの玄関用のお正月花の他、リビング用にもお正月花を活けました。

 

こちらも合わせてご覧ください。

 

 

追加記事

2024年のお正月花はこちら⇩⇩⇩⇩⇩

 

コメント一覧
  1. はじめまして。
    わたしは福岡市在住の30代女性です。
    MIREIさんのブログを拝見しコメントさせて頂いています。
    わたしは数年前より生け花を習っているのですが
    数日前にお正月の生け花画像を検索した際、
    すごくキレイ!とMIREIさんのお花を見つけブログを読ませて頂きました。
    わたしが理想とするお花でこんなお花を活けてみたいと思いました。
    お花を本格的に勉強したいと色々と悩んでいまして
    よろしければ流派と教室を教えて頂けないでしょうか。

  2. みかこさん、はじめまして!MIREIです。
    コメントありがとうございます。
    ご連絡が遅くなり申し訳ございません。
    ブログを読んでいただき、そして私の作品を気に入っていただいてとても嬉しいです!

    私は草月流で生け花を習いました。
    家の近くに文化教室があり、そこでは日替わりで色々な流派の生け花教室が開催されていました。
    その中で一番素敵なお花だな、と思ったのが草月流でした。
    他の流派の事情はよく分からないのですが、草月流はテキストがありカリキュラムが組まれていています。
    私はそのカリキュラムが終了後も、しばらく同じ先生のところで学びました。
    今はどの流派にも属さず、我流でお花を活けているだけですが、
    最初に学んだ草月流の影響は大きく受けていると思います。

    私が生け花教室を探していたのは、20年以上も前の事ですので、今とは違いインターネットも発達していませんでした。
    ですから、最初に見に行った文化教室で教えていた先生に出会えたことは、私にとってとても良い出会いだったと思います。
    私は関西地方在住ですので、福岡にある教室や先生のことは存じ上げませんが、
    草月流であれば多くの教室があるのではないかと思われます。
    同じ流派であっても、教えて下さる先生の個性や好みがあり、好き嫌いが出てくるかと思いますので、
    実際に教えて下さる先生の作品をご覧になって考えられるのが良いかと思います。
    みかこさんにとってよい先生との出会いがありますよう願っております。

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