今週の定期配達には、とてもインパクトのあるお花が届きました。
パッと見ただけでも印象的に残るお花自体を際立たせ、なおかつそのお花だけが浮いてしまわないためにはどうすればよいか、を考える生け花になりました。
お花の紹介
枝物は山茱萸(サンシュユ)です。
春の初めによく生け花で使用するお花の付いた枝物です。
今回は、たくさん枝分かれした大ぶりの枝が1本、
大きくは枝分かれしていない細めの枝が1本入っていました。
メインのお花には、ストレリチア。
南国風のイメージのある、とてもインパクトのあるお花です。
ストレリチアにはいくつかの品種があります。
観葉植物としてよく見かけるこちらもストレリチアですが、今回の花材のストレリチアとはまた別の品種です。
花器選び
今回は入っていたストレリチアは、長さが約80㎝あります。
お花部分の大きさから考えて、あまり短くカットしたくはありません。
ですから、大きく活けられる花器が必要です。
そこで、今回選んだのはこちら。
今までにも何度か使用している、半球形の花器です。
直径が約18㎝、高さは約12㎝と決して大きな花器ではありませんが、大きな作品が活けられる花器です。
(今までのこの花器を使用した作品、秋らしい生け花、バラが脇役、はこちら。)
中に剣山を入れて使用します。
お花を活ける
まず、ストレリチア2本を、スッと立ち上げるように高く活けます。
正面から見た時に、足元が細く見えるように活けると、より引き締まった感じに仕上がります。
次に、山茱萸(サンシュユ)を入れて、完成です。
枝分かれしている所で短くカットして、足元にもしっかり入れます。
上部のお花のインパクトに負けないくらいのボリュームを出すために、黄色の塊に見えるくらい、何重にも重ねて枝を入れていきます。
サイドから見たところです。
山茱萸(サンシュユ)のお花は小さいので、このくらい前後に幅を持たせてしっかり入れる事で、黄色の塊としてストレリチアのお花に負けないくらいの強さが出てきます。
実は、
今回の定期配達の花材は、実際にはこの2種類だけではなく他にもありました。
その他の花材の紹介
まずは、ナデシコ。
カンパニュラ。
そして、谷渡り。
全てを使って活けたところです。
生け花には正解がありませんので、もちろんすべての花材を使用して活ける事も出来ます。
ただ、ここからは好みの問題です。
すべての花材を使用するとにぎやかにはなりますが、ストレリチアのインパクトが減ってしまうように私は思います。
あえてすべての花材は使用せずに2種類だけを使用することで、コントラストの効いた面白い作品になるのではないかという事で、今回はストレリチアと山茱萸(サンシュユ)のみで仕上げる事にしました。
まとめ
お花を活ける時に、「これが正解」という答えはありません。
色々な好みがあって、色々な活け方があります。
身近なところで例えると、どんなに美味しいと評判の行列のできる人気のラーメン屋さんがあっても、「誰もが必ずそこの味が好きか?」、と言えばそうではありません。
好みがあります。
それと同じで、お花の活け方にもお花の選び方にも好みがあって当然です。
という事で、今回私はストレリチアと山茱萸(サンシュユ)のコントラストを引き出すという活け方を選択しました。
先程も言いましたが、お花の活け方には正解はありません。
あえて言えば、楽しく活けるのが正解なのではないでしょうか!