菊の花と聞くとどういうイメージが湧きますか?
お仏壇やお墓にお供えするお花というイメージでしょうか?
これは、結婚式の和装用のブーケですが、ここにも菊のお花が使われています。
ダリアとピンポンマムのブーケです。
グリーンの丸いのがピンポンマム、つまり菊です。
でも、お花屋さんではこういうタイプの菊は『菊』とは言いません(笑)。
『マム』と呼んだり、それぞれの品種名で呼んだりしています。
それだけで全く印象が異なってきますので、やっぱり名前って大事ですね。
もちろんいわゆる『菊』も立派できれいなお花なのですが、ここではその印象をちょっと変えて大好きになってもらえるように、マムの魅力を紹介していきたいと思います。
色々な種類のマムの紹介
私が最初に綺麗だな、と思ったのはこのグリーンのマム、アナスタシアです。
大きく広く咲きます。
大きさのイメージとしては、やや大きめの切り花のひまわりぐらいです。
花束に入れてもアレンジメントに入れてもちょっとしたアクセントになり素敵です。
白も花火の様に広がってとてもきれいです。
ぼんやりとですが葉っぱが写っているのが見えます。
葉っぱを見ると「菊だな」って思いますね。
上で紹介したマムより少し小さめのピンポンマムです。
ピンポン玉サイズの球形か半円のお花の形で、大きさも手ごろなので、アレンジメントにとても重宝します。
こちらはスプレーマムです。
今までに挙げた3つのマムは、花のサイズの大小はあってもいずれも1本の茎に1つのお花が咲いているタイプです。
それに対して、1本の茎に複数のお花が咲いているものをスプレー咲きといいます。
1本の茎から複数のお花が出ていますので、スプレー咲きのマム、すなわちスプレーマムです。
少し話は脱線しますが、スプレー咲きのお花にはこのほか、スプレーバラ、スプレーカーネーションなどがあります。
例えば、トルコキキョウやカスミソウなど、1本の茎から複数のお花がでているものしかないお花は、わざわざスプレー咲きという必要がないので、スプレーを付けては呼びません。
こんな風に使います
例えば母の日のアレンジメントに。
左斜め下の緑の濃い方のお花が、グリーンのピンポンマムです。
母の日のアレンジメントには赤やピンクを使う事が多いのですが、そこにグリーンのお花を入れると赤やピンクの可愛らしさを際立たせることが出来ます。
お正月のアレンジメントも得意とするところです。
ユリの下に見えるピンクの3輪やその隣の黄色っぽいのがマムです。
洋風のお家にも飾れる和モダンなお正月アレンジメントになります。
和風だけではありません。
クリスマスのディスプレイにも使えます。
一番下、器の近くのグリーンの丸いお花がピンポンマムです。
いずれの場合も、葉っぱを見せると一気に菊っぽさが押し出されるので、葉っぱは見せないようにして、マムのまぁるい形や色味を見せるように活けると、可愛らしさが増します。
普段の花束やアレンジメントはもちろんの事、ブライダルの場でもマムはとても人気があります。
上で挙げた和装用のブーケはもちろんの事、ドレス用のブーケにも使います。
写真中央の白のバラの右斜め下、細かい花びらで表面が少しぼこぼこしているように見えるのがピンポンマムです。
ピンポンマムはブライダルブーケのみならず、ブライダルのテーブル装花でも重宝されます。
アジサイとピンポンマムの高砂席(ブライダルのメインテーブル)のアレンジメントです。
白くて丸いのがピンポンマムです。
こちらはほぼ球形で、可愛らしいだけでなくアレンジメントに少し変化を付ける事も出来ます。
合わせる他のお花によって和風なテーブル装花、洋風なテーブル装花のどちらにも使うことが出来ます。
ご自宅での飾り方
ポコポコとした丸い形を見せるように、少しずつ高低差を付けて活けます。
リズミカルで可愛らしく楽しい雰囲気になります。
この場合も、葉っぱは見せない方が軽やかですので、取り除いた方がマムの形が際立って綺麗です。
スプレーマムの大きく枝分かれしている部分は、切り分けるとお花が何輪も取れるので、1本のお花でもボリューム感が出せます。
ここでは、ブルースターと合わせて可憐なイメージに仕上げています。
このスプレーマムは、ガーベラの様な咲き方なので、菊のお花という抵抗感なく受け入れられやすいのではないでしょうか?
いずれの場合も、葉っぱを見せると菊っぽさが押し出されてしまうので、葉っぱは全て取り除くのがポイントです。
マムはほぼ年中流通していますので、今度一度お花屋さんで探してみて下さい。
先入観なく見ると、案外可愛らしいお花です!