私の住んでいる所では、今週は非常に雨が多いです。
そして天気予報を見ると、来週の半ばまでずっと雨。
梅雨の時期のようにこんなにも雨の日の続くお盆はとても珍しいような気がします。
今週の生け花はお盆のお花です。
そしてその色合いは、少し秋を感じさせるような配色のお花の組み合わせになっています。
8月の中旬はまだまだ暑く夏なのですが、季節は確かに秋へと移ろっている。
という事を感じさせてくれる今週の生け花です。
お花の紹介
主になるお花は矢筈薄(ヤハズススキ)です。
この時期なので、まだ穂はありません。
斑の入ったドライな印象の長さのある葉物です。
メインのお花はほおずきです。
ほおずきはその色と形から、お盆に帰って来られるご先祖様が迷わないように灯しておく提灯に見立てられています。
ですからお盆に飾られるんですね。
漢字では鬼灯と書きます。
サブのお花にはモカラです。
程よいサイズ感のお花が1枝にたくさん付いているので、
華やかで扱いやすい蘭の一種です。
あしらいには小菊です。
葉物はドラセナ サンデリーです。
花器を選ぶ
今回は矢筈薄はそこそこの長さがあります。
ほおずきとモカラは割と短めです。
ほおずきにもう少し長さがあれば、色々とアレンジも考えられたのですが、
長さに限りがあるので、余り大きくは活けられません。
そこで選んだのがこちらの花器。
黒の半球形の花器。
中に剣山を入れて使用する、立体感のある花器です。
直径は約18㎝と、特に大きな花器ではありません。
しかし縦に長く活けたり、横に広く活けたり、もちろんコンパクトに活けたりも出来る、
応用範囲の広い花器です。
お花を活ける
今回は、まずほおずきから入れます。
ほおずきは途中でカットし、2つに分けてから入れています。
今回は全体のお花の量少ないので、ホオズキを2本に分けて重ねて入れる事で、色の厚みとボリューム感を持たせています。
次にモカラを入れます。
1本は垂直に近い角度で、もう1本はやや後方に傾斜させて入れます。
それから矢筈薄を入れます。
矢筈薄はそのまま入れて自然に広がる曲線を楽しむのも綺麗です。
今回は風にたなびくような軽さを出したかったので、より曲線が強調できるように、
矢筈薄の葉に一度ハサミの背側を滑らせて、少しカールさせます。
そのまま入れるのと比べると、少し動きが付き軽やかさが増します。
やり過ぎると張りを失いだらっとしてしまうので、1本につき1度か2度くらいで(笑)
そして小菊とドラセナ サンデリーを入れて完成です。
小菊はかなり短くカットし、足元の空間を埋めるのに使います。
まとめ
今回はお盆のお花、ほおずきの生け花です。
このお花を活けるポイントは、同じ種類のお花はまとめて入れるという点です。
お花の数が少なめなので、色々なところにバラバラに入れると、まとまりません。
例えばほうずきのように2つに分けて重ねて入れる事で色のインパクトが生まれます。
反対に矢筈薄の部分には空間があります。
密なところと疎なところを作る事で、お互いが強調されてメリハリのある作品に仕上がります。
もちろん今回も、後方にも短いお花を入れ、お花を前が低い階段状にならまいように配置するというものとても大切です。
上⇧の写真は、サイドから見た図です。
後方にも短いお花が入り、作品に前後の幅があります。
後方にも短いお花を入れる事で、より立体感のある仕上がりになりお花もイキイキとして見えます。
今回のほおずきと小菊の黄色。
これからの季節は、この配色がこれから徐々に増えてゆき、秋のお花がたくさん出てきます。
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