雨の日が多かった8月ですが、再び夏らしい暑さが戻ってきました。
日中の日差しは本当に暑いのですが、鳴く虫の種類や空の雲の種類は確実に変化しています。
私の住むところでは、蝉の声はほとんど聞かれなくました。
今週の生け花は、少しだけ涼しくなったのを受け、久しぶりにバラがメインの生け花です。
お花の紹介
まず枝物は、雪柳です。
雪柳は年間通じて様々な表情を楽しむことが出来る植物です。
まず、
春にはこのように白い小さな小花がたくさん咲きます。
そして、
秋には紅葉も楽しむことが出来ます。
この時期の雪柳は、まだ紅葉には少し早いので、緑の葉っぱです。
メインのお花はバラです。
品種までは分からないのですが、ケニア産のバラです。
ケニアは、バラの栽培に気候が向いているらしく、この生け花でも頻繁にケニア産のバラを使用しています。
サブのお花は、オニソガラムです。
今回はややお花部分は小さめです。
サブのお花2つめは千日紅です。
アップにして撮った写真を使用しているので、大きさが分かりづらいですが、
お花の大きさはビー玉くらいの大きさです。
カサカサっとしたドライな質感のある可愛らしいお花です。
葉物は、ドラセナサンデリーです。
花器を選ぶ
今回は、色に注目して花器を選びました。
バラの濃いめのピンク。
千日紅の赤味がかった紫。
これらお色に合うのはやっぱりこの花器。
紫のガラス花器です。
もし花器を1つ買うとしたら、透明のガラス、白や黒といったベーシックな色の花器を選ぶという方が多いかと思います。
紫色、といえば「色合わせが難しそう」、と思われるかもしれません。
ところが案外、紫色の花器はどんなお花とも合わせやすい色の花器です。
赤、ピンク、黄色、オレンジ、そして葉物の緑。
どの色とも喧嘩することなく、そしてお花の色を引き立てる色です。
今回はお花の色から選んだこちらの花器に、投げ入れのスタイルで活けたいと思います。
お花を活ける
まず、雪柳を入れます。
今回は、雪柳は2本です。
雪柳は少し矯めて、きれいな曲線を作ります。
次にオニソガラムを入れます。
写真では同色過ぎて分かりづらいのですが、前後に2本入っています。
それから、バラを入れます。
今回のバラはお花部分が大きめで、形もとてもきれいです。
どのお花にも言える事ですが、それぞれのお花には一番美しく見える向きが必ずあります。
今回の3本のバラも、一番美しく見える向きをしっかりと見極めて入れていきます。
全部のお花がこちら(正面)を身かないように、上向き気味・斜め向きなど表情に変化を出して入れます。
同時に、3本が同じ長さにならないように、階段状に手前が低くならないように、という点にも気を付けます。
それからドラセナ サンデリーを入れます。
花器の口元付近に入れ、全体を引き締めます。
最後に千日紅を入れて完成です。
まとめ
今回はお花と花器の色合わせも楽しめる生け花です。
この作品を活けるポイントは、奥行き感の出し方です。
今回の枝物、雪柳は比較的細い枝物です。
お花も、1本の茎に1つのお花が咲いているタイプのお話すので、ボリュームは少なめです。
広がりの少ないお花を活ける時は、平面的になりやすいです。
後方にも短いお花を入れて、お花が『手前が低い階段状にならないように入れる』事で、立体感のある仕上がりになり、いきいきとした作品が仕上がります。
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