今年もこの花材の季節になりました。
春の枝物の中で一番好きなお花。
今回は大好きな春の枝物を使った生け花です。
お花の紹介
まず、こでまりです。
先程の一番好きな春の枝物、というのがこちらです。
細いしなやかな茎に、白い小花が半球状に咲く、とても可愛らしいお花です。
今回はこでまりが2本。
2本ともやや細めの枝です。
メインのお花はオリエンタルリリーです。
やや濃いめのピンクのお花です。
サブのお花には、ガーベラ。
あしらいにはナデシコ。
葉物はドラセナサンデリーです。
花器を選ぶ
こでまりの枝垂れる様子を表現したいので、花器は高さのあるものがいいです。
そこで選んだのがこちら。
白のトーチ型の花器です。
高さ約46㎝の背の高い花器です。
ここに、花器の口元から下に流れ出る様な線を使った作品を活けたいと思います。
お花を活ける
花瓶にお花を活ける『投げ入れ』のスタイルの時には、お花を入れていく前にすることがあります。
花留めを作る事です。
花留めとは、口の広い花瓶の中でお花を思った位置に留める為の花瓶の中に入れた仕掛けの事です。
使わない枝物など硬さのあるものを、花瓶の内側の口元より少し板に一文字もしくは十文字に突っ張り棒のように渡します。
写真を撮り忘れてしまったので、別の作品を作った時の違う花器のものですが、
今回も同じように十文字に花留めを入れました。
花瓶の中が仕切られるので、お花を思った位置に留めやすくなります。
花留めが出来ればお花を入れていきます。
今回はまず、コデマリから入れます。
コデマリの枝ぶりはそれぞれとても個性があります。
今回は花器の口元より下に流れ出る様なラインを強調する為に余分な枝は整理します。
この時切り落とした枝も、後ほど使うので置いておきます。
次にオリエンタルリリーを入れます。
今回は、花器に対して下に流れる様なラインがメインなので、花器の上方向にはあまり長さは出しません。
そのためオリエンタルリリーも2か所でカットし、短くしてから入れます。
咲いたお花は花器の口元に来るくらいの短さで入れます。
その次にナデシコを入れます。
ナデシコも短めにカットして、こでまりの間から顔をのぞかせる様なイメージで入れます。
もちろんお花の入れ方には好みがありますが、
バラバラに色々な場所に入れるのではなく、ある程度ひとまとまりにして範囲を決めて入れるとスッキリとまとまります。
今回で言えば、花器の中央より右側がナデシコのゾーンとなっています。
それからドラセナサンデリーをいれ、更に先程枝を整理した時にカットして落とした短めのこでまりを入れていきます。
ドラセナサンデリーも2カ所ほどでカットし短くし、ナデシコとは逆側の花器の左側に入れます。
カットした短いコデマリは、先に入れた両サイドに伸びるこでまりの間を繋ぐように入れます。
最後にガーベラを入れて完成です。
ガーベラは、茎に対してお花の付いている向きが様々です。
もちろんこちらもお好みですが、やや斜め上に向かって咲くように入れると綺麗です。
まとめ
今回は、春の花付きの枝物、こでまりを使った生け花です。
この作品を活けるポイントは、
花器から流れ出るように入れたこでまりのラインを左右対称にしない事。
花器に対して下に流れる様なラインがメインの作品なので、花器の上方向にはあまり長さを出さない事。
の2点です。
左右対称は美しいですが、動きは感じられにくく、作った感じがします。
それに対して、左右非対称は動きが感じられて自然な印象があります。
お花を活けるとき、左右非対称に入れた方が、お花にイキイキとした感じが出ると私は思います。
どんな作品を活ける時も、作品の方向性というのは1つです。
今回は、花器から下に流れ出る様なこでまりのライン、というのが再疎に決めた方向性なので、上方向にも高さを出してしまうと最初の主張がぼやけてしまいます。
今回の場合だと、おおまかなアウトラインが弓型になると、下に流れる様なラインの作品になっています。
そして、この作品以外にも言える事ですが、後方にも短いお花を入れ、
お花を前が低い階段状にならないようにする、というのもとても大切です。
後方にも短いお花が入っていることにより、立体感のある作品になり、お花もよりイキイキしてきます。
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