前回に引き続き、今週も花菖蒲の生け花です。
今シーズン2度目なので、変化させて活けようかとも思いましたが、
花菖蒲はやっぱり垂直方向に活けてあるのが好きだと実感しました。
お花の紹介
まずは今回の主役、花菖蒲です。
とてもバランスよく、
固い蕾、少し花びらが見えているもの、開花している物、の3種類の状態のお花が入っています。
メインのお花は、ダリアです。
かなりの大輪のダリアが2本。
グリーンには、イボタです。
花器を選ぶ
前回の花菖蒲の生け花花菖蒲の生け花 5月5日はこどもの日。は、投げ入れ(花瓶に活けるスタイル)で活けました。
今回は、盛花(水盤に剣山を使って活けるスタイル)で仕上げようと思います。
花菖蒲は、その姿が美しいので、縦長のシルエットに活けるのが似合います。
そこで選んだのがこちら。
黒の半球形の花器です。
中に剣山を入れて使用します。
直径約18㎝、高さ約12㎝と、決して大きな花器ではないのですが、
背の高い縦長の作品を活けてもバランスよく仕上がる、使いが手の良い花器です。
お花を活ける
まずは、メインの花菖蒲を入れます。
今回は縦長に活けたいので、花菖蒲の足元は1か所にまとめておくとスッキリとして縦長が強調されて美しいです。
次にダリアを入れます。
今回のダリアはかなり大輪です。
大胆に短くカットして、重心を下げるとバランスよく仕上がります。
ダリアやひまわり、ガーベラのようにお花の面が大きかったり平たかったりする場合は、
お花の向きを、少し斜め上や少し横、という風に、正面をこちらに向けず入れると、
お花の表情が上手く伝わります。
今回もダリアは2輪とも正面は向けずに、
上方向と少し斜め左方向を向けています。
それから、イボタを入れていきます。
イボタは簡単に矯めることが出来ますので、ゆったりとした曲線を作ってから入れます。
最後に、花菖蒲の葉っぱを少しカールさせて、花器の口元にもイボタを足して、完成です。
花菖蒲の葉は、はさみの背側などで軽くなでるように滑らすと、くるんと綺麗にカールします。
(やり過ぎるとハリが無くなりだらしなくなるので、程々に。)
花器の口元もイボタで程よく隠すと、お花と花器との一体感が増します。
まとめ
前回に引き続きの花菖蒲でしたが、
やっぱり花菖蒲はこの様に垂直方向にまっすぐ立ち上げた姿が美しいですね。
この作品を活けるポイントは、
花菖蒲は直線を見せるように高く活け、ダリアは思い切って短くし足元を引き締める事です。
お花にボリュームのあるダリアの長さを残したまま入れると、
花菖蒲の縦の直線もあまり強調されず、重心も上がり、バランスが悪くなります。
そしてこの作品以外にも言える事ですが、お花を『後方が高く前が低い階段状』に並ばない様に配置す事も大切です。
写真ではお花の前後の位置が分かりづらいのですが、
花菖蒲もダリアも階段状には並べていません。
2番目の長さの花菖蒲はやや後ろに、
ダリアも低い(短い)方は後方に入っています。
花菖蒲の葉っぱも後方に短めのものを配置しています。
このように、後方にも短いお花を配置することで立体感のある作品に仕上がりました。
6月の第3日曜日は父の日。おすすめのお花を紹介しています⇩⇩⇩⇩⇩