今週の生け花は枝物は使用しません。
大きめの葉物を、枝物のようにメインにして活けていきます。
早速見ていきましょう。
お花の紹介
今回は枝物はないので、葉物から紹介します。
谷渡りです。
少しユニークな葉物です。
茎や枝があって葉っぱ部分がある一般的な葉物の形とは違い、
一枚の大きな平面上の葉物です。
お花を活ける時の使い方も、枝物の様な役割をする事が多い葉物です。
メインはカーネーションです。
少し渋めの赤です。
サブのお花は、コワニー。
細い茎の上にたくさんの小花が放射状に咲きます。
アクセントにはヒペリカム。
お花屋さんでも大人気のお花です。
(ヒペリカムに関して詳しくはこちら)
花器を選ぶ
今回は谷渡りを垂直方向にいれて、縦長な作品を作ろうと思います。
そこで選んだのが、こちら。
黒の半球形の水盤です。
中に剣山を入れて使用する、少し立体的な水盤です。
花器の直径は18cmほどで、水盤としては小さめです。
縦長の作品を活ける時には、非常に重宝する花器です。
お花を活ける
先ず、谷渡りを入れます。
今回2本入っていましたので、そのうちのより長く直線的な方は、そのまままっすぐ垂直に近い角度で入れます。
もう一本は、くるっと丸めて、重なっている部分をホッチキスで留めます。
谷渡りの中央の軸の部分は、そのままの状態では直線なので、いきなり丸めようとすると、葉っぱが折れてしまいます。
その軸のところにじわじわと力を加えて矯めていくと、折れずに曲線を作ることが出来ます。
次にカーネーションを入れます。
カーネーションを入れた後、左側にバランスが欲しかったので、曲げてある方の谷渡りを移動させました。
カーネーションは、垂直に入れた谷渡りから半分ほどが見えるようにこっそりと入れます。
このとき、カーネーションは色の塊として扱いたいので、カーネーションの葉っぱは全て取り除きます。
谷渡りの間からカーネーションの葉っぱが覗いていると、色の塊として扱いたいカーネーションが、お花として見えてしまうからです。
それから、ヒペリカムとコワニーを入れて完成です。
ヒペリカムは、花器の上ぎりぎりに実が見えるくらいの長さに、かなり短くカットします。
余分な葉っぱも取り除いた方が、作品の足元がスッキリします。
コワニーは、出来るだけ茎が谷渡りから離れてしまわないように、谷渡に添わせるように入れます。
コワニーの位置は、カーネーションやヒペリカムと重ならなず、なおかつ等間隔にならないように入れると、リズミカルで動きがあり面白い仕上がりになります。
まとめ
今回は、垂直に入れた谷渡りを中心に、縦長の作品に仕上げました。
この作品を活けるポイントは、
谷渡りの直線に集中できるように、他のお花の茎や葉っぱを出来る限り見えない様にする事です。
谷渡りの後ろから、カーネーションやヒペリカムの葉っぱが見えていると、
谷渡りの直線に集中できません。
谷渡りの直線に意識が向くように、他のお花は、色の塊として出来る限りお花らしい存在を消すように入れると、テーマがぶれません。
そうする事で、主張のしっかりとした作品に仕上げることが出来ます。
3月3日はひなまつり。
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