端午の節句に花菖蒲のアレンジメントを活けてみませんか?
初めてでも簡単に挑戦できるように、分かりやすく解説しています
上には動画もありますので、詳細の確認に是非併せてご覧ください。
お花の紹介
今回のメインの花菖蒲です。
すらっとした立ち姿が美しいお花です。
『尚武』(意味は武事・軍事を尊ぶこと)と音が同じという事から、端午の節句に花菖蒲が飾られるようになったそうです。
ちなみにお風呂に入れる『菖蒲湯』の菖蒲と、こちらの『花菖蒲』は、異なる植物です。
合わせるお花はシャクヤクです。
シャクヤクの蕾はピンポン玉サイズの大きさですが、咲くと子どもの掌くらいの大きさに広がって咲くボリュームのある華やかなお花です。
アルストロメリアです。
アルストロメリアは色の展開の多いお花ですが、今回は白系です。
比較的ボリューム感もあるお花なので、アレンジメントに使いやすいお花です。
こちらのグリーンのお花はテマリソウです。
毬のように丸く咲くお花。
茎や葉っぱの部分を見れば分かりやすいのですが、ナデシコの仲間です。
グリーン系のお花は表情も面白く、アレンジメントのアクセントにピッタリです。
ソネットカーネーション。
お花部分がナデシコのように平たく咲くタイプのスプレーカーネーションです。
葉物にはリキュウソウです。
今回はこちらの6種類のお花を使てアレンジメントを作ります。
吸水フォームをセットする
先ず、器に吸水フォームをセットします。
吸水フォームは、たっぷりとお水を張ったバケツなどの上にポンっと置きます。
しばらくそのまま待ちます。
すると吸水フォームは、じわじわとお水の中に沈んでいきます。
この時、決して吸水フォームを手で押してお水の中に沈めてはいけません。
押して沈めてしまうと、吸水フォームの外側にしかお水が触れず、内側は乾燥した状態のままになってしまいます。
そうすると、その吸水フォームに挿したお花はお水を吸えません。
吸水フォームは押さなくても、すぐにお水を含んで沈んでいくので、すばらくそのまま待ちましょう。
お水の中に完全に沈んだら、お水の中から取り出し、器にセットします。
今回の器はかごなので、吸水フォームをセロファンにくるんでからかごにセットしています。
陶器などの花器の場合は、直接花器に吸水フォームをセットします。
アレンジメントのデザインにもよりますが、多くの場合は上のように器の口より少し上(3㎝ほど)に出るようにセットします。
セットできれば、上の角を斜めに落とします。
これを『面取り』といいます。
面取りをすることで、お花を放射状に入れやすくなるので、仕上がりがなめらかな形になりやすいです。
お花を挿す
ここまでの準備が出来れば、お花を挿し始めます。
今回は先ず、花菖蒲から挿します。
お花全体の分量を見て、仕上がりサイズを決めます。
今回のお花のシャクヤクは、咲くと面の大きなお花です。
また、アルストロメリアも枝分かれしてるところで切り分けて使うと、ボリュームが出せるお花です。
ある程度大きく活けられる花材です。
そして花菖蒲は茎も美しくほっそりとしたお花なので、茎が見えるように少し長く挿すとお花の特徴が生きてきます。
1本目は垂直に近い角度で、2本目3本目のあまり傾斜させずに挿します。
長さと方向で変化を付けます。
アレンジメントで花菖蒲を生ける時、長めにカットしても葉っぱ部分より上でカットする事になることが多いと思います。
葉っぱも花菖蒲らしい部分なので、カットする時に後で使えるように出来るだけ葉を傷つけないようにします。
切り落として捨ててしまわずに、後ほど使用します。
次にシャクヤクを入れます。
シャクヤクは、今は蕾なのでお花のサイズとしては小さいですが、咲くと立体的で大きなお花です。
あまりカットせずに背を高い状態で使用すると、開花した時のバランスが悪くなります。
やや短め位カットし、またシャクヤク同士の長さ変化を付けておきます。
(シャクヤクのお花同士の長さが似ていると、開花した時にお花同士がくっついてしまいやすい為。)
同様にテマリソウも大きな面のお花なので、短くカットし、低い位置に入れます。
向きって左側を中心にアルストロメリアを入れます。
メインのお花以外の小花を入れる時に、全体にまんべんなく散らして入れることも出来ます。
どこから見てもお花に片寄りがないので、美しいですが、やや面白みに欠けます。
ある程度のかたまり(グループ)にして入れると、主張のはっきりした感じがします。
ですので、今回はアルストロメリアは左側を中心に入れます。
お花の表面がまっすぐに並ばないように、短いお花や長いお花を作り、表面に凹凸が出来るように入れます。
次にリキュウソウを入れます。
リキュウソウは色や形もキレイな葉なので、見える部分に使う葉物です。
正面やお花とお花の間の見えやすいところに使用します。
次は、向かって右側半分を中心にソネットカーネーションを入れます。
ソネットカーネーションは、枝分かれしているところで切り分けて使います。
こちらもお花の表面が並ばないように、カットするときに長短を作ります。
そうするとお花の面が揃わずに表面に変化が出ます。
それから、先ほど残しておいた花菖蒲の葉を入れます。
長さは花菖蒲のお花の長さを目安に。
お花のついている花菖蒲の茎を挟むように葉を入れます。
今回はグリーンが少なめでしたので、シャクヤクの葉も使用します。
花器の口元には水平に挿し、葉先が口元より下にくるように入れます。
そうするとお花と器が一体化します。
花器の口元がスカスカしていると、『器の上にお花が乗っている』ような状態になり、一体化しません。
完成です。
この時、吸水フォームが見えていないかもチェックしてください。
吸水フォームはお花を活けるための道具なので、仕上がった時に見えなくなっている必要があります。
もしまだ見えているようなら、葉物をもう少し足してカバーします。
完成です。
まとめ
今回は、端午の節句におすすめの花菖蒲のアレンジメントの作り方を紹介しました。
この作品を作るポイントは、
アルストロメリアやソネットカーネーションのお花の部分をあまりにも平面的に作り過ぎないこと。
小花を均等に配置するのではなく、ある程度のかたまり(グループ)を作って入れる事。
の2点です。
今回は、玄関に飾ることを想定したアレンジメントなので、後ろ向きにお花は入っていません。
真後ろに向いたお花はないですが、サイドや後方は、中央から放射状になるように入れてあります。
後方にも短いお花を入れると、奥行き感のあるアレンジメントに仕上がります。
花菖蒲は花持ちの良いお花ではありませdんが、咲き終わったお花を摘むことで、2番花を咲かせる事が出来ます。
花菖蒲 2番花の咲かせ方はこちら⇩⇩⇩⇩⇩