今週は、仕事の都合で荷物がたくさん届き、いつもお花を活けているスペースが物置状態になってしまいました。
ですので、お花を置くスペースがいつもとは違います。
今回お花を飾る場所は通り道にもなる関係上、あまり前面に出てくるものや横に大きく広がるような活け方は出来ません。
そこで今回は、『狭い場所に活ける』というのをテーマに活けてみたいと思います。
お花の紹介
今回は枝物はありません。
主となるものは葉物のオクラレルカです。
美しくしっかりと立ち上がるような姿ですので、枝物の様な役割をしてくれます。
あまり曲げたり束ねたりという加工をせずに、立ち姿の美しさを見せながら活けるのが私は好きです。
メインのお花には、カーネーションです。
年間通じて流通している、おなじみのお花です。
インパクトのある濃いめのピンクのカーネーションが3本です。
こちらもお花屋さんには欠かせないお花、アルストロメリアです。
今回のアルストロメリアは、茎も長く、茎の上部で枝分かれし、そこからすぐにお花が付いているという枝ぶりです。
細かく分けて使うよりも、そのままの1本として使うのがよさそうなボリュームとお花の付き方です。
ポイントとなるお花に、レナンセラです。
お花1つ1つは小さめですが、1枝でたくさんのお花を付けていますので、豪華な印象があるお花です。
サブのお花には、アスターです。
こちらは、少し短めにカットし、色をプラスするような感じで使う事になりそうです。
主張は決して大きくないのですが、作品にニュアンスを与えてくれるのが、スモークグラスです。
とても好きなお花です。
花束やアレンジメントに入れると、何か大きく主張するわけではないですが、
周りのお花を上手くまとめ上げ、優しくナチュラルで洒落た雰囲気を出してくれる、とても優秀なお花です。
今回もその活躍に期待大です。
最後に葉物には、ドラセナ・ゴッドセフィアナです。
この定期配達のお花でもお馴染みのお花です。
花器を選ぶ
今回は最初から、『狭い場所に活ける』というテーマがありました。
ですので、花器は迷わずこちらに決定しました。
中に剣山を入れて活ける半球形の花器です。
縦方向に活けるのにとても向いています。(作品例はこちら)
狭い場所に活ける際は、全体的にコンパクトにいけるか、上方向に余裕があるのなら縦方向に伸びのあるお花を活けるか、という選択肢があります。
今回お花を飾る場所は、縦方向にはスペースがあります。
しかもお花はオクラレルカ。
あまり短くカットしたくはありません。
そこで、縦方向に活けるのにぴったりなこの花器の出番となりました。
お花を活ける
まず、オクラレルカを、花器の中央あたりに垂直に近い角度で立ち上げるように活けます。
2本目は、それよりもやや後方にわずかに角度をつけて活けます。
次にアルストロメリアを活けます。
茎の途中から出ている葉っぱや、お花周辺の葉っぱは全て取り除きます。
余分な葉っぱでオクラレルカの直線を消さない為です。
今回の場合は、アルストロメリアの葉っぱを取り除くことで、オクラレルカの直線もしっかりと見ることが出来ます。
更にオクラレルカの葉っぱの色を背景に、アルストロメリアの淡い白やピンクも引き立っています。
次にカーネーションを活けます。
カーネーションとアルストロメリアは、どちらがメインに来ても構わないと思います。
オクラレルカの黄緑系の色合いにアルストロメリアの淡いピンクから白を合わせるのがより綺麗だと感じたので、アルストロメリアをメインのお花として活けました。
カーネーションの方が色の印象も強いので、ここではあえてお花の見える分量を減らし、主張しすぎない様に活けるようにしました。
レナンセラだけは、少しだけ角度を付けて活けました。
先に葉物のドラセナ・ゴッドセフィアナを入れます。
右側に張り出たレナンセラのボリューム感に引きずられない様に、左側にもボリューム感を出してバランスを取ります。
アスターは、枝分かれしているところでカットし、短めにしておきます。
余分な葉っぱも取り除き、濃い紫の色の印象が強く出るように準備しておきます。
色を見せるように、お花の足元近くに入れていきます。
この時忘れずに後方にもお花を入れます。
そうすることで、立体感のある仕上がりになります。
最後にスモークグラスを入れて、完成です。
写真では分かりづらいかもしれませんが、背の高い方のアルバトロスの前が、わずかにかすんでいるように見えるかと思います。
それがスモークグラスです。
オクラレルカの直線と、他のお花との間を上手くなじませる役割をしてくれています。
まとめ
今回は、お花を置く場所の都合から、『狭い場所に活ける』をテーマに活けてみました。
上方向にスッと立ち上がる形に活ける事で、狭い場所に活けるお花にも伸びやかさが出てきます。
横から見たところです。
後方にも丈の短いお花が入っていることにより、平面的ではなく立体的なお花に見えます。
立体的なお花にすることで、狭さや窮屈さを感じさせません。
お花を活ける場所が小さい時や狭い時も、どこかに伸びやかさが感じられるように活けます。
そして後方に短いお花を入れるなど立体感を出すようにすれば、狭い場所でも伸びやかなお花を仕上げることが出来ます。
お花を活けるスペースが小さい時、狭い時でものびのびとしたお花を活ける事は可能です。