黒猫柳と春のお花の生け花

先週はお花の定期配達がなかったので、2週間ぶりの生け花です。

 

3月に入り気候は少しずつ春らしくなってきましたが、切り花の世界では、春らしいイメージのお花はそろそろおしまいに近づいてきます。

 

お花の紹介

黒猫柳

まず、枝物は黒猫柳です。

 

猫柳は、生け花で頻繁に使用してきましたが、黒猫柳は私は初めて使用する花材です。

 

ふさふさとした赤っぽい個所と黒っぽい個所が混在していますが、最初は赤い色をしていて、徐々に黒に変化してくるようです。

 

黒い花材ですが、重たい印象はないです。

 

細くたおやかな枝と、触ってみたくなるような猫柳独特のもさもさとした質感の面白い花材です。

 

バラ

メインのお花はバラです。

 

品種名までは分かりませんが、ケニア産のバラです。

 

ケニアは、バラの生産に最適な環境だそうで、農薬も極力少なく育てられているという事で、

定期配達のお花でもケニア産のバラはよく届けられます。

 

バラは2本です。

 

アルストロメリア

サブのお花は、アルストロメリアです。

 

アルストロメリアは、お花の色が非常に豊富ですが、今回はバラによく合いそうなピンク系です。

 

エピデンドラム

アクセントにはエピデンドラムです。

 

ボール状に咲く蘭の一種で、鉢植えとしても流通しています。

 

花色は、オレンジ・赤・黄色・白と豊富です。

 

菜の花

サブのお花の2種類目は菜の花です。

 

まだつぼみの状態ですので、ほとんど黄緑色の葉物のように見えますが、お花が咲くと明るい黄色が作品のアクセントになってきそうです。

 

レザーファン

最後に枝物はレザーファンです。

 

今回のお花は、まとまりやすそうな色合いのお花の組み合わせです。

 

花器を選ぶ

黒い花器

今回は、明るいお花の中で黒猫柳の黒がうまくなじむように、花器も黒を選びました。

 

『回』という漢字の様な形の投げ入れで活ける花器です。

 

黒猫柳の枝分かれしているところを交差させて、面白い枝組をし、そこにお花を活けるような構成にしたいと思います。

 

お花を活ける

黒猫柳を活ける

まず、黒猫柳を活けます。

 

1本の枝の中の数か所で枝分かれしていますので、2本を交差させ枝分かれしているところで組ませて固定します。

 

黒いふさふさした所が五線譜の音符の様に上下して楽しそうです。

 

バラを活ける

次にバラを活けます。

 

黒猫柳のふさふさが隠れすぎてしまわないように、バラの葉っぱは全て取り除きます。

 

お花と茎だけのシンプルな姿にすることで、色を目立たせるようにします。

 

エピデンドラムを活ける

次にエピデンドラムを活けます。

 

黒い花器に黒い枝物の中でアクセントとなるように、茎は見せずに花器の口元にお花が来るように配置します。

 

菜の花を活ける

それから、菜の花を活けます。

 

菜の花はまだつぼみの状態ですので、グリーンの塊に見えますが、お花が咲いてくるともう少し主張が強くなります。

 

レザーファンを活ける

葉物は最後に入れる事が多いですが、今回は先に入れてしまいます。

 

レザーファン2枚は、少し角度と高さを変えて右方向にまとめて入れました。

 

重ねて近くに入れる事で、レザーファンも緑の塊という色の印象が強くなります。

 

そこで、エピデンドラムの位置も少し中央に移動させました。

 

アルストロメリアを活ける

最後に、アルストロメリアを活けて、完成です。

 

アルストロメリアは、枝分かれしているところでカットし、1輪ずつに分けて活けています。

 

アルストロメリアを短くし2本のレザーファンの間に配置する事で、こちらもお花の形よりも色の印象を見せるように活けます。

 

まとめ

お花を活ける時、もちろんお花の形が綺麗に見えるように活ける事が大切ですが、時にはお花の形より色を重視して活ける事もあります。

 

お花同士をぐっと近づけて活ける事で、色の印象を強くする事が出来ます。

 

そうすることで、引き締まった印象の強い作品に仕上げる事が出来ます。

 

サイドから見たところ

こちらは、サイドから見たところです。

 

後方にも背の低い花材を入れたり、後方に伸びる枝があったりすることで、作品に奥行を出すことが出来ます。

 

お花を活ける時には、サイドから最終チェックをし、お花が単調に背の順番に並んでいないかも確認して下さいね。

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