卒業式・卒園式にお花は欠かせないものです。
私がお花屋さんで働いていた時も、卒業式・卒園式シーズンには、実に様々な用途のお花のご注文がありました。
今回は、卒業式・卒園式の時期に贈られるお花の種類やおすすめのお花について解説します。
お花を一輪ずつプレゼントする
おすすめのお花
先生や学校から、もしくは後輩から卒業生にお花を贈る場合には、お花を一輪ずつセロファンで巻きリボンをかけたものをプレゼントすることが多いです。
また、私の子供たちの通っている幼稚園では、園児からお家の人への感謝の気持ちという意味でお花一輪のプレゼントがありました。
私がお花屋さんで働いていた時には、『子供たちからお家の人へ』というお花一輪のプレゼントのご注文を受けたことはなかったので、こういうパターンもあるという事をつい最近知りました。
お花一輪を贈る際のご予算は、誰が贈るのかにより変わってきますが、一般的には¥200~¥500くらいが相場です。
お花一輪のプレゼントで人気のあるお花は、価格変動も少なく、安定した入荷のあるガーベラです。
¥300前後のご予算でご用意できる店が多いです。
私の働いていたお花屋さんでは、春らしいお花の代表であるチューリップも、お花一輪のプレゼントとして人気がありました。
ただし、チューリップは年間通じて流通しているお花ではありません。
3月の中旬以降には徐々に入荷量が減ってきます。
ですから、3月後半の卒業式・卒園式にはご用意が難しい場合もありますので、ご注文の際はお花屋さんにご確認ください。
チューリップは品種にもよりますが、ご予算は¥500前後が目安です。
これらのお花に比べると少し高価にはなりますが、もちろんバラも人気があります。
バラの場合も品種や産地にもよりますが、ご予算は¥800前後が目安です。
いずれのお花の場合にも、お花代とは別にリボンやセロファンといったラッピング代がかかる場合があります。
ご注文の際には、お花の価格だけを聞くのではなく、
『ラッピング込みの金額』がいくらになるのかという事をお花屋さんに確認して下さい。
参考までに
また、お花一輪のプレゼントのご注文の時に、
「かすみ草をちょっと付けることは出来ますか?」というご質問をよく受けました。
結論から言いますと、私はお花一輪のプレゼントの際にはかすみ草を添える事は、余りおすすめしません。
まず、かすみ草は大きく枝分かれしている、そこそこボリュームのあるお花です。
お花は1本単位で売っているので、「ちょっと付ける」ために『ちょっとだけ売る』という訳にはいきません。
では、「お花一輪のプレゼントをたくさん注文する場合には、1本のかすみ草を分ければいいんじゃないの?」となりますよね。
確かにかすみ草は枝分かれをしていますので分ける事は可能ですが、1本のお花の上の方と下の方ではお花の付いている密集具合が違います。
すると、当然のことながら仕上がったお花のボリューム感は異なってきます。
更に、お花一輪をプレゼントする時のお花の長さは、そんなに長くはありません。
お花の長さは、35㎝~40㎝くらいが標準です。
小さなお子様向けの際は、お子様が持ちやすいように丈はもう少し短めにご用意することもあります。
更に、茎の下から10㎝~15㎝のところにリボンを結びます。
という事は、リボンの位置より下で枝分かれしている部分のかすみ草は、取り除かなければなりません。
つまり、ロスになるお花が多く出てしまいます。
さらにかすみ草は、ボリュームはありますが、決して安いお花ではありません。
通常¥600~、さらに時期による価格変動も受けやすいお花です。
例えば、真夏の暑い時期、真冬の寒い時期、そして需要の多い季節には高価格です。
3月は、卒業式・卒園式があり、人事異動の多い季節でもありますので、全体にお花の需要の多い時期です。
ですので、3月はかすみ草の価格も通常よりも高めの場合が多いです。
お花一輪のプレゼントの場合は、あらかじめご予算がきちんと決まっている場合がほとんどです。
決められたご予算内で頑張ってちょっとだけかすみ草を入れるよりお、お花一輪のプレゼントはシンプルに『お花を一輪』として贈った方がすっきりとしていて美しいのではないでしょうか?
ですので、お花一輪のプレゼントにちょっとかすみ草を付ける事は、私個人としてはあまりおすすめしません。
お花としてのかすみ草がおすすめではないという意味ではありません。(笑)
花束としてお渡しする時には、華やかさもあり人気のあるお花ですので、お祝いに向いているお花です。
予約について
お花一輪のプレゼントを注文する時は、出来るだけ早めのご予約をお勧めします。
1度に同じ種類の同じ色のたくさんのお花は、直前ではご用意できない場合もあります。
お花の必要となる日の10日から2週間ほど前までにご予約されると安心です。
個人的にお世話になった方に贈る
部活動やサークルの先輩に『卒業のお祝いのお花』を贈るケースです。
感謝の気持ちを表現してお渡しするには、アレンジメントより花束がおすすめです。
アレンジメントとは、カゴなどに吸水スポンジをセットしそこにお花を活けてあるもの、
花束とは、お花を束ねてラッピングしリボンをかけてあるものを指します。
(詳しくは、アレンジメントとは?、花束とは?をご参照下さい。)
1人から贈る場合も、数名から贈る場合もあります。
個人的にお世話になった方へ贈る花束のご予算は¥3000~¥5000くらいが目安です。
お世話になった方に贈る花束で人気のお花は、定番のガーベラやバラの他、春らしいチューリップやスイトピーなどをメインにした花束もおすすめです。
これらのお花は色も豊富ですので、もらう方の雰囲気とお花の色や種類のご希望をお花屋さんに伝えて相談してみるといいでしょう。
金額とお花のボリューム感の目安は、『花束とは?』などでも記載していますが、ごく簡単に表しますと、
¥3000台の花束は、サッと渡せるカジュアルな花束です。
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¥5000台の花束は、反対の手も添えて渡すような豪華な花束です。
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¥10000を超える花束は、しっかりと両手で持つような立派な花束です。
もちろんお花の品種やその時々の市場価格により、お花の値段は大きく変化します。
花束の大きさは、あくまでも目安としてお考え下さい。
卒業シーズンに花束を贈られる場合には、1週間ほど前までにご予約をされることをお勧めします。
卒業シーズンは、お花屋さんが非常に混雑する時期です。
当日になってお花屋さんに行っても、思っていたようなお花がなかったり、混雑の為長い時間待たなくてはならなかったりという事態が十分に考えられます。
お約束の時間に遅れてしまわないためにも、ご予約をなさって下さい。
恩師に贈る
担任の先生や部活動の先生・コーチ、大学のゼミの教授など、学生生活でお世話になった恩師にお花を贈るケースです。
こちらの場合も、感謝の気持ちを表現するお花ですので、アレンジメントよりも花束がお勧めです。
部員やゼミ仲間といった複数名から贈る場合が多いです。
集まった人数にもよりますが、¥5000~¥10000くらいの価格でご用意することが多いです。
恩師へ贈る華やかな花束には、百合やバラという豪華な印象のお花がお勧めです。
恩師への感謝の気持ちを込めたお花ですから、びしっと決めたいですね。
素敵なお花を贈る為にも、1週間ほど前までのご予約をおすすめします。
卒業・卒園のお祝いとして贈るお花
例えばお孫さんへ、親戚のお子様へ、ご友人やお友達のお子様へ、など卒業・卒園のお祝いの品として贈るお花の場合です。
卒業式・卒園式の当日のみならず、その前後の期間にお祝いとして贈るお花の場合は、花束・アレンジメントどちらでも構わないでしょう。
もらう方がお花を活け慣れている場合には花束を、気軽に飾ってお花を楽しんで頂きたい場合にはアレンジメントがおすすめです。
おすすめのお花は?
もらう方のお好きなお花が分かっていれば、そのお花を指定して花束やアレンジメントを注文するのがベストです。
しかし、お花の好みまで知らない場合も多いですよね。
その際のおすすめの注文の仕方があります。
「春らしい雰囲気で。」というご注文の仕方です。
花束の場合にも、アレンジメントの場合にも使えます。
春を代表するお花と言えば、
上にも挙げたチューリップ、スイトピーの他、
ラナンキュラス、
フリージア、
アネモネ、
マーガレット、
コワニー、
リューココリーネ。
コデマリ(白い小花の咲いている枝物)、
雪柳といった枝物も春ならではです。
これらのお花は、ほぼ春にしか手に入りません。
同じお花であっても色によるイメージは異なりますので、
たとえ同じお花を指定したとしても、色により仕上がりは全く違うものになります。
プレゼントを贈る相手が幼稚園を卒園されるお子様なのか、
大学を卒業される大人の方なのかをによって、
「春らしいお花」の選択肢は変わってきます。
ピンクのチューリップ、スイトピーを使用した、春らしい可愛らしいイメージの花束です。
紫がかったピンクのバラに多めのグリーンを合わせた、春らしい大人っぽいイメージの花束です。
お花を贈るお相手のおおよその年齢と、「春らしく」という事をお花屋さんに伝えてお花を相談してみると、この時期にしか手に入らない『春らしい花束やアレンジメント』が出来上がる事でしょう。
お祝いの品としての花束やアレンジメントのご予算は、¥3000~¥5000台が目安です。
何度も述べていますように、卒業・卒園シーズンはお花屋さんが非常に込み合います。
お祝いの品として贈る花束やアレンジメントも、1週間ほど前までに予約しておくことをおすすめします。
遠方にお住いの方への贈り物の場合は、多くのお花屋さんでお花の配送が可能ですので、お花屋さんでご相談ください。
卒業・卒園式の会場を飾るお花
続いては、プレゼントとして贈るお花ではなく、学校や幼稚園からご依頼を受ける会場を飾るお花についてです。
代表的なものは2つ。
1つは、舞台上の『飾る壺に活けてあるお花』です。
もう1つは、舞台の近くや通路、テーブルなどに並べて飾るお花の咲いている小さめの鉢植え、花鉢です。
舞台上の壺のお花の場合
壺に活けてあるお花は、舞台上のとても目立つ場所に枝物や長さのあるお花を使用し、豪華に華やかに仕上げます。
大きく咲いている状態のお花を使用しますので、あらかじめ仕入れて綺麗に咲かせておく必要のあるお花もあります。
花束やアレンジメントで日々使用するお花とは違う大きな装花用のお花が必要となってくる場合もありますので、ご予約はお早めになさって下さい。
2週間から10日ほど前までにご予約をされるのが安心です。
花鉢の場合
舞台の近くや通路、テーブルにお花の付いている鉢植え、花鉢を並べて飾る場合があります。
鉢植えの場合は、『寒さに強い・弱い』が切り花よりもはっきりとしています。
私の住んでいる地域では、卒園・卒業シーズンの花鉢と言えば、サイネリアやサクラソウをご用意することが多かったです。
ただし、鉢植えのお花は上にも記しましたように、切り花よりも温度管理に気を遣う必要があります。
お住いの地域の気温により、入荷できる花鉢の種類にも違いがあります。
ですから、お住いの地域のお花屋さんで、入荷可能な花鉢の種類をご確認ください。
花鉢の植木鉢部分をラッピングする際には、別途ラッピング代が必要となる場合もありますので、ご注文の際に合わせてお花屋さんにご確認ください。
同じ種類のお花が一度にたくさん必要な場合は、お花屋さんもお花の市場に予約が必要となる場合もあります。
ですから花鉢も、2週間から10日ほど前までにご予約をお勧めします。
会場を飾るお花は、毎年決まった金額で、決まった種類のお花を、決まったお花屋さんに注文するというのがほとんどです。
もし何らかの事情で、今までとは違うお花屋さんにこれらのお花を注文する際には、特にお早めにご相談ください。
まとめ
一定期間の間に、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学と卒園式・卒業式を行いますので、必然的にその日程は重なります。
人気のあるお花屋さんの場合、学校の生けこみのスケジュールがびっしり埋まっている場合もあります。
花鉢の入荷が少なく、早い者勝ちになる時もあります。
卒業式当日のお花屋さんは、ご予約のないお客様は長い待ち時間がかかる事も十分考えられます。
節目となる大切なお祝いである卒園式・卒業式には早めのご予約で、新しい門出をお祝いしてあげて下さい。
予約について、更に詳しく知りたい方はこちら⇩⇩⇩⇩⇩
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