ひな祭りに桃の花を飾ってみたい、という方におすすめ。
初めてさんでも簡単に桃のお花を飾れるコツや、お花の選び方を分かりやすく解説しています。
生け方の動画もございます。
細かな部分や立体感などは、動画で見て頂くのも分かりやすいかと思います。
上部のリンクより動画も併せてご覧ください。
水盤に生ける桃の花の生け花はこちら。
お花の紹介
先ずは今回のメイン、花桃です。
桃のお花を選ぶときのポイントは、ふっくらとしたつぼみの付いている枝を選ぶことです。
お花を買ったら、少しでも長持ちしてほしいですよね。
でも、あまりにも硬いつぼみの枝を買ってしまうと、そのまま咲かずに終わてしまうこともあります。
時にシルバー(グレー)っぽく見えるつぼみは、乾燥してしまっていて咲かない可能性が高いです。
上の写真は、少し開化しているお花もある枝ですが、少なくともピンク色の花びらが少し見える程度には膨らんでいるつぼみの付いている枝を選ぶようにしてください。
つぼみから開花するまでの時間は、お花を飾る場所により異なります。
暖かい部屋の場合はすぐに、玄関などのエアコンの効かない場所の場合はそれなりに時間はかかります。
いずれの場合も、桃のお花は乾燥に弱いので、必要に応じて霧吹き等で空中湿度を保つことが出来ると、より長持ちします。
桃の花に合わせるのは、菜の花です。
この組み合わせが、最も定番の組み合わせです。
一般的に春といえばピンクのイメージがありますが、お花の場合は黄色のお花が春らしさを強調します。
菜の花を選ぶ問いは、茎の太さに気を付けてください。
剣山に生ける時はさほど気にならないのですが、花瓶に生ける時は、茎が太すぎると少し扱いにくいです。
この桃のお花と菜の花の組み合わせに、あとなにか1種類プラスするのが、初めての方にも生けやすく桃の節句らしさも出せるので、おすすめの組み合わせです。
今回はプラスするのはチューリップです。
チューリップがおすすめなのには理由があります。
もちろん季節感。
春のお花、といえ先ず出てくるのがチューリップです。
春らしさが出せます。
そして色が豊富なこと。
ここで選ぶチューリップの色で、印象は全く変わってきます。
今回は、桃の花のピンクと菜の花の黄色に重ならないように赤のチューリップを選びました。
もちろんピンク系のチューリップを合わせてかわいらしさを強調するのも素敵です。
少し濃い色のパープル系を選ぶと、ぐっと大人っぽい落ち着いた印象になります。
そして、チューリップを選ぶ理由はもう1つあります。
葉っぱが印象的なこと、です。
花瓶にお花を活けてみて、
「何か物足りない」と感じたことなありませんか?
原因として、グリーン(葉っぱもの)が足りないことが多いです。
お花とお花の間がスカスカして見える、とか
花瓶の口元付近の引き締まった感じがない、とか
立体的じゃなく平坦な感じがする、など
これらの物足りなさははグリーンをプラスすると解決することが多いです。
チューリップの場合、葉っぱの面積が大きく、印象的です。
わざわざ別のグリーン(葉物)を買わなくても、チューリップの葉っぱは十分使えます。
これらの理由から、初めて桃の花を生ける方の場合は、チューリップを合わせることをお勧めします。
今回は、これら3種類のお花でひな祭りのお花を生けたいと思います。
花器を選ぶ
こちらでは、花瓶に生ける場合を解説します。
(別で水盤に剣山で生けるパターンも紹介していますので、よろしければそちらもご覧ください。)
今回はこちらの花瓶を使います。
白の円柱形の花瓶です。
お花の色も選ばないですし、明るく春っぽい印象に仕上がります。
他には、ガラスの花瓶も使いやすいかと思います。
お花を生ける準備
花瓶に生ける時は、花留めを作ってからお花を入れると好きな位置にお花を留めやすいです。
使わない枝を花瓶の中に縦横に渡した『十字留め』を作ってから生けることが多いです。
これが十字留めです。
ただこれは慣れるまで少し難しいかもしれません。
花瓶の内径にピッタリ添う枝を作る、十字を使ってうまく枝を留める、も少し練習が必要です。
そこで、ワイヤーを丸めて作る花留めを使うことをお勧めします。
100均などでも売っているワイヤーを適度な長さに切り、花器の内径より少し大きめのボール状に丸めます。
それを花器の口元から上に飛び出さない程度の深さに埋めます。
ワイヤーはあまり太すぎると曲げづらいですが、細すぎるとお花を入れるとお花の重みに負けて花瓶の中で滑り落ちてしまいます。
私はワイヤーの直径が2㎜のものを使いました。
ワイヤーのボールの密度(巻き加減)は、花瓶の内径とその時のお花の本数や枝の太さを考慮してください。
ワイヤーの花留めを花瓶の中に入れ、下にずれない程度の密着感があれば、準備は完了です。
お花を入れる
先ず、花桃を入れます。
メインの太い花桃の枝1本は、ほぼ垂直にまっすぐに立てて入れます。
それよりもやや細めの枝を左に、3本目はやや短めの枝を右にいれます。
次にチューリップを入れます。
チューリップは、切り花の状態でも明るい方向を向く性質があります。
ですから傾斜をつけて入れても、数日後には上を向こうとします。
特にデザイン重視で生ける場合は別ですが、ひな祭りまで飾るというのが目的の場合は、あまり角度を強く傾斜させずに挿した方が手直しする必要がないのでおすすめです。
かといって、すべてのチューリップを直立させ過ぎても面白味がないので、難しいところですが。
上の写真くらいの角度を目安にしてください。
チューリップを入れ終えたら、チューリップの葉を少し外側に広げるようにします。
チューリップの葉は、厚みがありクセを付けやすいです。
外側に広がるようなクセを付けると、その形をキープしてくれます。
枝の間のスカスカした感じがカバーされたり、花瓶の口元の不安定さがなくなったり、という効果があります。
葉っぱが動きを出してくれるので、面白さも出せます。
このあたりは文字で表現するのは難しいので、是非動画でご確認ください。
そのあと、菜の花を入れます。
他のお花もそうですが、お水に浸かる部分の葉っぱはきれいに取り除いてから使用します。
お水の中に葉っぱがあると、お水が傷みやすくなり、結果としてお花も持ちが悪くなるからです。
菜の花は、葉っぱを取り除くとき、茎の際に小さな葉っぱが残りやすいので気を付けてください。
菜の花も、チューリップと同じく、切り花の状態でも明るい方向を向く性質があります。
あまり大きく傾斜させずに入れた方が、時間が経っても最初の形が崩れないです。
最後に、細い桃の枝を足します。
作品の後方に短い枝を足すと、立体感が増します。
チューリップや菜の花の間に細い桃の枝を入れると、色味が重なったり、凹凸ができることでお花の色が際立ちます。
完成です。
まとめ
今回は、ひな祭りの生け花を紹介しました。
初めてお花を生ける方にもおすすめの花桃・菜の花・チューリップという定番の組み合わせです。
ポイントは、
お花を、後ろに背の高いお花、前に背の低いお花を階段状に並べないこと、
花器の口元を葉っぱや短いお花でカバーすること、です。
お花を後ろから前に向けて徐々に低く階段状に並べてしまうと、立体感なく面白みがないです。
後方に短いお花を入れることで、奥行きや広がりが感じられます。
花器の口元をしっかり引き締めることで、安定感が出ます。
今年のひな祭りには、是非、桃のお花を生けてみませんか?
上部のリンクより動画も併せてご覧ください。
桃の花お生け花 水盤に生ける場合 はこちら。
生け花風ひな祭りのアレンジメントはこちら⇩⇩⇩⇩⇩⇩