『お花屋さんの仕事』と言えば、何が思い浮かびますか?
花束やアレンジメントを作っているところでしょうか?
もちろんそれらはお花屋さんの仕事の中のとても大切な部分です。
しかし、それらはお花屋さんの仕事の中のほんの一部です。
ではお花屋さんは他にどのような仕事をしているのでしょうか?
まず、入荷したお花の水揚げをします。
それから、今あるお花の整理などです。
水揚げやお花の整理といったお花の管理は、とても地味ですがお花屋さんのとても重要な仕事です。
そして、お花の配達もとても重要なお花屋さんの仕事の1つです。
お花屋さんの求人募集を見てみると、必ずと言っていいほど書かれている条件に、『要普通免許』の文字があります。
お花屋さんが新しい人材を募集する時に、経験者かどうかという事の次に(もしくは同等に)、運転免許を持っているかという事が重要視されます。
それほどお花屋さんにとっては、車の運転が出来るか=お花の配達や納品が出来るかということが重要で、配達や納品はお花屋さんの大きな仕事の1つなのです。
今回は、お花を配達もしくは配送で贈る時に気を付けてほしいことについてまとめたいと思います。
配達や配送について
多くのお花屋さんでは、配達や配送でお花を送ることが出来ます。
ここで言う『配達』とは、注文を受けたお花屋さんが自身のお店から自らの車でお届け先のお客様のところへお花を届ける事です。
多くのお花屋さんでは、そのお花屋さんのある場所からある程度の距離までの市区町村なら、お店から直接お花を配達しています。
一方ここでいう『配送』とは、そのお花屋さんから遠方のお客様のところまで宅配業者さんの便でお花を配送してもらう事を指しています。
遠方にお花を送る場合は2通りの方法があります。
1つは、そのお花屋さんが加盟しているお花屋さんのネットワークを通じて、送り先(お花をもらう方)の近くのお花屋さんでお花を用意してもらい、そのお花屋さんからお花を配達してもらう方法です。
もう1つは、注文を受けたお花屋さんで花束やアレンジメントを用意し箱詰めし、それを宅配業者さんに配送してもらうという方法です。
今話している『配送』とは、遠方にお花を届けるこの2つ目の方法の事です。
お花屋さんのある場所から翌日中に配送が可能な地域へは、そのお花屋さんのお花を配送でお花を送るお花屋さんが多いです。
わたしが働いていたお花屋さんでも、遠方の場合も翌日配送が可能な地域でしたら、そのお店のお花を配送で送ることを希望されるお客様がほとんどでした。
「このお花屋さんのアレンジメントが好きだから。」
「このお花屋さんのお花の選び方が好きだから。」
という理由や、
「直接自分でお花を選べるから。」という理由で、
ご自身がいつも利用しているお花屋さんからお花を配送することをお客様も希望されました。
この配達や配送の時にとても困ってしまうのが、
「サプライズで。」というご注文なのです。
なぜ『サプライズ』が困ってしまうのか
『サプライズ』でお花を贈りたい、というご注文。
つまり、お相手の方に事前にお花が届くという事をお知らせせずにお花を配達(もしくは配送)して欲しい、というご依頼です。
「ピンポーン!」と鳴って、ドアを開けると、バラの花束が配達される。
お誕生日や記念日のサプライズの演出はとてもドラマチックです。
しかし、現実はそんなにうまくいかないのです。
私がお花屋さんで働いていた時も、ご連絡をせずに配達に行くと、かなりの確率でご不在でした。
お花は鮮度が大切な品物ですので、やはりお相手のご在宅を確認してからアレンジメントや花束を作って、配達したいのです。
ご不在の場合
配送の場合
宅配会社さんに配送をお願いしている場合は、他のお荷物と同様に、ご不在連絡票を見たお客様が配送会社に連絡をして再配達をしてもらうことが出来ます。
ですから、ほとんどの場合は再配達でその日のうちにお花を受け取って頂くことが出来ます。
しかし、連絡を入れる時間によっては、当日配達が出来ない場合もあります。
そうなるとお花は、お花屋さんを出荷した翌々日に配送されるという事になります。
するとサプライズのつもりが、一日遅れの到着になってしまいます。
配達の場合
お花屋さんが直接お客様のところに配達する場合は、スタッフをたくさん抱えているお花屋さんなら、何度も配達に行ったり、宅配会社さんと同様にご不在連絡票を置いて帰り、再配達が可能かもしれません。
しかし、街の普通のお花屋さんの場合、何度も配達に出られるほど大勢のスタッフを抱えているところばかりではありません。
私が働いていたお花屋さんの場合も1件のお店のスタッフは1人もしくは2人でしたので、基本的にはお客様のご在宅時間を事前に電話で確認して、それに合わせて人員を調整しお花を配達をするようにしていました。
ところが、
「どうしても事前に連絡をして欲しくない。」というお客様や、
「必ず家にいるから、連絡をせずに配達をしても大丈夫。」と言われるお客様も少なからずいらっしゃいました。
そして、「もしかして相手が不在の場合は、玄関先にお花を置いて帰っても構わない。」というほどのお客様の強いご希望がある場合に限り、ご連絡をせずに配達することがありました。
しかし、たとえ「玄関先にお花を置いて帰っても構わない。」とご依頼主様からお聞きしていたとしても、お花を置いて帰るというのはとても心配です。
きちんとお花を受け取って頂けたかどうか。
それが気になり、つながるまで何度もお電話をかける事もありました。
やはりお客様にお花を直接お渡ししてこそ安心して配達を終わらせることが出来ます。
お花を配達や配送で送る時のまとめ
私は今、外で働いてはいません。
しかし、外出せずに1日中家にいるという日はほとんどありません。
例えば短時間の外出でも、日々の食料品の買い物。
幼稚園への送り迎え。
幼稚園や学校行事。
子供が帰って来てからは、習い事の送迎もあります。
PTAや自治会の用事のある方もいらっしゃるでしょうし、ご自身のお稽古事がある方もいらっしゃるでしょう。
このような短時間の外出の場合などは、午前・午後の配達時間のご希望をお聞きしておくだけで、お花を確実に受け取って頂くことが出来ます。
ですので、「絶対に家にいる」と思われる場合でも、お花屋さんから直接お花を配達する場合には、事前にお電話で在宅確認はさせていただけると、お花屋さんも安心してお花をお届けすることが出来ます。
また、母の日や敬老の日といった多くの方がお花を贈るイベントの時期は、初夏や秋の行楽シーズンでもあります。
行楽シーズンには、日帰りのお出かけだけではなく、ご旅行をされている場合もあります。
私がお花屋さんで働いていた時も、母の日や敬老の日に配送で送ったお花が、
「ご不在の為配達が出来ない。」と配送会社さんから連絡が入るという事態が、どの年も数件ありました。
そして、その配送出来ない理由の多くは、お相手の方がご旅行などで長期ご不在の為、というものでした。
特に、母の日や敬老の日に初めてお花を贈る場合には、
サプライズをご希望される気持ちは十分に理解できます。
更に、義理のお母さまやおじい様・おばあ様の、母の日や敬老の日のお花のプレゼントを贈る際には、あらかじめ「お花を贈りますよ。」とは伝えにくいですよね。
ですが、ご旅行に行くなど予定などはないか程度は確認してからお花を贈って頂くと、せっかく贈ったのにご不在だったという残念な結果にならずに済みます。
鮮度が大切なお花のプレゼントの場合には、サプライズよりも確実にお花をお渡しできるという方を重視していただきたい、というのが、お花屋さんからのお願いです。
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