気が付けば3月も中盤。
桜の開花に関するお話もチラホラ聞こえ始めてきました。
今週の生け花は、桜ではないですが、開花の待ち遠しい作品になりました。
お花の紹介
まずは枝物、きぶしです。
日本全国に分布する落葉樹の一種です。
つぶつぶしているところがお花で、ぶどうのように枝から下がります。
漢字では、『木五倍子』と書くようです。
メインのお花は、LAリリーです。
つぼみなので、色が分かりませんが、多分黄色かな?
サブのお花は、なでしこです。
和風な印象の牡丹色の、とても可憐な小花です。
アクセントには、オンシジウムです。
今回のオンシジウムは、割と花が密にびっしりと詰まっているので、黄色の発色がとても良いです。
葉物は玉しだです。
花器を選ぶ
今回は、生け花の基本的な形に活けようと思います。
定番の投げ入れ花器です。
シンプルな花器ですので、きぶしの枝ぶりの面白さが際立ちます。
お花を活ける
お花を入れる前に、十字留めを作ります。
十字留めとは、投げ入れでお花を活ける時、お花を思った位置に留めるための仕掛けの事です。
花器の口元より少し下の方に、枝物の使わない部分を使って縦横に突っ張り棒のように枝を渡します。
こうすることで、花器の中央部分からでも枝を立ち上げる事が可能になります。
十字留めが出来たら、先ず枝物のきぶしから入れます。
きぶしの線が一番きれいに見える向きを探して入れます。
次にLAリリーを入れます。
まだ1輪も開花していないつぼみの状態なのでイメージしにくいのですが、
まず1本目は、1番下のお花が咲いた時(1番下のお花から咲いてきます。)、花びらが花器の口元を隠すような位置で長さを決定します。
LAリリーは2本入っています。
1本目の1番上のお花より少し上に、2本目の1番下のお花がくるような長さに調整します。
それから、なでしこを入れます。
なでしこは、左下側に7割、残りの3割をきぶしの後方に入れます。
その後、玉しだを入れます。
玉しだは比較的簡単に矯めが効きますので、キレイなカーブが見えるように軽く力を加えて曲線を作ります。
最後にオンシジウムを、お花の先端が花器の口元よりも下がるように曲線を描きながら入れます。
オンシジウムを入れる時は、光が差し込むようなイメージで入れると美しいです。
まとめ
今回は、生け花の基本的な形に近い仕上がりになったと思います。
ユリのお花が咲くと、より彩りよい華やかな作品になります。
そしてお花が咲くことで、もう少し重心も下に下がると思われます。
今回のお花を入れる時のポイントは、左右のバランスです。
今回、きぶしもオンシジウムも綺麗に見えるのは、お花を右側に傾斜させた時でした。
ですから必然的に作品の向かって右側に重心が偏ります。
左側には華奢ななでしこの線がくるのみです。
傾斜の角度や長さに注意を払いながら、右側にお花が偏った感じがしないように他のお花を入れ、作品を仕上げます。
そしてもちろん今回も、後方にも短めのお花を入れ、
お花が記念写真のように前が低い階段状にならないようにすることも大事です。
後方にも短いお花が来ることで、奥行き感や立体感のあるお花を活ける事が出来ます。
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